京都市議会 > 2007-05-28 >
05月28日-03号

  • "既存不適格"(/)
ツイート シェア
  1. 京都市議会 2007-05-28
    05月28日-03号


    取得元: 京都市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-19
    平成19年  5月 定例会(第2回)      平成19年第2回               京都市会会議録 第3号      (定例会)               平成19年5月28日(月曜日)出席議員(68名)   2番 平山賀一議員   3番 青木よしか議員   7番 内海貴夫議員   8番 加藤あい議員   9番 西村善美議員  10番 とがし 豊議員  11番 村山祥栄議員  12番 吉田孝雄議員  13番 湯浅光彦議員  14番 山本ひろふみ議員  15番 天方浩之議員  16番 中野洋一議員  17番 山元あき議員  18番 西村義直議員  19番 吉井あきら議員  20番 田中明秀議員  21番 くらた共子議員  22番 河合ようこ議員  23番 樋口英明議員  24番 宮田えりこ議員  25番 木村 力議員  26番 曽我 修議員  27番 久保勝信議員  28番 津田早苗議員  29番 藤川 剛議員  30番 山本 恵議員  31番 隠塚 功議員  32番 山岸たかゆき議員  33番 山本恵一議員  34番 寺田一博議員  35番 津田大三議員  36番 田中英之議員  37番 せのお直樹議員  38番 井上けんじ議員  39番 西野さち子議員  40番 玉本なるみ議員  41番 赤阪 仁議員  42番 井上教子議員  43番 柴田章喜議員  44番 大道義知議員  45番 日置文章議員  46番 谷口弘昌議員  47番 安孫子和子議員  48番 宮本 徹議員  49番 安井つとむ議員  50番 中村三之助議員  51番 大西 均議員  52番 加地 浩議員  53番 橋村芳和議員  54番 小林正明議員  55番 加藤盛司議員  56番 繁 隆夫議員  57番 山中 渡議員  58番 倉林明子議員  59番 井坂博文議員  60番 北山ただお議員  61番 佐藤和夫議員  62番 岩橋ちよみ議員  63番 今枝徳蔵議員  64番 小林あきろう議員  65番 富 きくお議員  66番 巻野 渡議員  67番 田中セツ子議員  68番 井上与一郎議員  69番 高橋泰一朗議員  70番 椋田知雄議員  71番 西脇尚一議員  72番 加藤広太郎議員欠席議員(1名)   1番 青木かつゆき議員   議事日程   開議日時 平成19年5月28日(月)午前10時   一般質問 (1) 市政一般について  井上与一郎議員 (2) 市政一般について  橋村芳和議員 (3) 市政一般について  加藤あい議員 (4) 市政一般について  西村善美議員 (5) 市政一般について  隠塚 功議員 (6) 市政一般について  吉田孝雄議員 (7) 市政一般について  平山賀一議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(内海貴夫) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付致しておきました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) この場合,議席の変更を行います。--------------------------------------    議席の変更  7番 山元あき議員を 17番に, 17番 西村義直議員を 18番に, 18番 吉井あきら議員を 19番に, 19番 田中明秀議員を 20番に, 20番 山本恵一議員を 33番に, 33番 寺田一博議員を 34番に, 34番 津田大三議員を 35番に, 35番 田中英之議員を 36番に, 36番 中村三之助議員を 50番に, 50番 大西 均議員を 51番に, 51番 加地 浩議員を 52番に, 52番 橋村芳和議員を 53番に, 53番 小林正明議員を 54番に, 54番 加藤盛司議員を 55番に, 55番 繁 隆夫議員を 56番に, 56番 富 きくお議員を 65番に, 65番 内海貴夫議員を 7番に変更。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) ただ今お手元に配付してあります文書のとおり,それぞれ議席を変更致します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 次に,本日の会議録署名者を指名致します。加地浩議員と倉林明子議員とにお願い致します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理致しました請願11件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託致します。 次に,人事委員会から議第62号京都市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例の制定についてに関する意見書が提出されました。この写しは,お手元に送付致しておきました。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) これより一般質問を行います。発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,井上与一郎議員。 〔井上与一郎議員登壇(拍手)〕 ◆(井上与一郎議員) 右京区選出の井上与一郎でございます。自由民主党市会議員団を代表致しまして質問させていただきます。去る4月8日に執行されました統一地方選挙は,昭和22年に地方自治法が施行されて以来,歳月は60年を重ね16回目の選挙でありました。我が自由民主党も結党以来,今回の選挙におきましても歴史と伝統のある京都市会の第一党の地位を確保することができました。このことは京都市民の皆様の我が党に対する実績の評価と熱い期待の表れであると厳粛に受け止め,所属議員は一致団結し総力を挙げて議会で活発な議論を行い市民の負託にこたえる決意を新たにしたところでございます。また,我々は京都市政を支える責任ある与党第一党として,今後ともその使命に徹し市民の目線に立って光り輝く歴史都市・京都の発展のため一層奮闘することをここにお誓いするものであります。 今申し上げましたのは,激戦を勝ち抜き議席を得た同志23名が今期当初の4月30日に寄りまして,自由民主党京都市会議員団を結成させていただきました際に心も新たにした我々の決意でございます。どうか京都市民の皆様におかれましては,我々に対し今後とも一層の御支持,御支援をお願い致しますとともに,我々も市民の皆様の御期待にこたえるべく努力する所存でございます。それでは以下,当面の市政の重要課題について質問致しますので,市長はじめ理事者の皆さんには明快な御答弁をしていただきますようお願い致します。 去る3月に審議致しました平成19年度予算は,桝本市長の任期3期目の総仕上げの予算でありました。市長は,この予算編成に当たり全庁を挙げて創意と工夫を凝らし,徹底した選択と集中によってきめ細かな質の高い予算を編成できたとして,前年度を上回る180項目の新規政策を打ち出されたのでございます。とりわけ市民の意見が二分致しました景観政策に関する6件の条例案は,市会において審議に審議を重ね,3月13日の最終本会議でこの議場で全会一致により議決したことは御案内のとおりであります。この3月13日という日は,京都市政にとって,また京都市会にとっても歴史的な日として語り継がれるに違いありません。そしてこの新景観政策は,全国の景観保全の流れに強いインパクトを与え,安倍総理大臣が標ぼうされています美しい国づくりを推進する大きな力になるものと確信しております。 しかしながら,この政策を全会一致で議決するまでの間には色々と紆余曲折があったことも事実であります。色々な団体から様々な御意見をお伺いし,時には私の自宅にまで市民の方や事業者の方々から御意見の電話をいただきました。それらの御意見も踏まえながら,我々は熱い議論の後,審議を重ね,市の理事者にも度々説明を求め,最終的に市長提案に賛成することに至りました。その際,市長与党である自民,民主・都みらい,公明の3会派は,8項目にわたる新景観政策の推進に関する決議を提案し,これも全会一致で承認されたところであります。市長は,この4月の人事異動と組織改正により,局長級の景観創生監の新設をはじめデザイン審査や屋外広告物対策の担当者の大幅な増員など,早速決議事項の一つである推進体制の拡充に取り組まれ,この新景観政策に対する市長の並々ならぬ思いが伝わってきております。 この新景観政策は,これからが勝負であります。1200年の悠久の歴史と豊かな自然によりはぐくまれてきたこの美しい京都の景観を,50年,100年先の世代まで継承していくためには,現代に生きる市民の皆さんや事業者の皆さんの理解と協力が必要不可欠であり,8項目にわたる市会の決議事項にも全力で取り組み,9月1日から実施されるこの政策の推進に当たっては万全の体制で臨む必要があります。そこで市長にお尋ね致します。新景観政策の実施及び推進に向けてどのような取組をされているのか,また,これからされようとしているのかお聞かせください。 次に,我が自由民主党市会議員団の団長でありました中村安良前議員が本年2月の予算市会の代表質問において指摘しておられました京都府における補助率格差の解消について質問致します。中村議員の質問に対して桝本市長は,子供の医療費支給制度については,平成19年度当初から他の市町村と同様となり格差は解消した。また,母子家庭等の医療,障害者医療,老人医療についても,20年度以降22年度の当初予算までに順次解決していくとの府からの回答を得ている。また,今後とも京都府に対して言うべきことはしっかりと主張し,政策の質を高め合う真の府市協調の下,すべての人が健やかに安心して暮らせるまちづくりにまい進していくと答弁されました。このことは,我が自民党市会議員団並びに他の与党議員団と市長との強い連携の下で取り組んだ成果でありまして,実現の運びとなったことを喜んでおります。 ただ,まだ実現していない事項もありますので申し上げたいと存じます。それは生活困窮のために修学費用の負担が困難な世帯の高校生などに対して,修学費用の一部を援助する京都市教育扶助資金給付事業であります。この事業は,生活保護受給世帯以外の市民税非課税世帯で高等学校等に在学している高校生等を対象として月額1万2,000円を給付する制度であります。受給者は平成18年度で2,099名となっております。この事業に対して,本年2月の予算市会では,当初,見直しの提案があったわけでありますが,我が党議員団をはじめ与党3会派の京都府知事への要望と桝本市長の英断で存続された経緯がありますので,若干触れさせていただきます。 京都市は,平成19年度の予算編成に当たり,乳幼児医療費支給制度の拡充や児童館の整備をはじめとする子育て支援策の更なる充実,障害者自立支援法における利用者負担の軽減などを行うための財源を確保する必要が生じ,このため今必要な施策を実施していくために,選択と集中の観点から教育扶助資金給付事業については平成19年度の新入生から募集を停止して段階的に見直すことを2月市会に提案されました。しかしながら,私学には家計の苦しい子供たちが数多くおられることや,他の市町村との格差が拡大することに心を痛めた我が党をはじめとする与党3会派は,山田京都府知事に対して京都府の高等学校修学援護事業の京都市民への適用を要望致しました。これを受けて桝本市長は,京都府の事業が京都市民も対象になるまでの緊急措置として現行制度を存続することを決断されたのであります。したがいまして,京都府の修学援護事業が京都市民にも早期に適用されますよう切望致しますとともに,我々としても京都府に対して強く求めていきますので,市としても積極的に取り組んでいただきたいと存じます。京都府の事業が適用されるまでの間,本市は緊急措置として継続されましたが,本事業に対し今後どのように取り組まれますかお尋ね致します。 次に,地下鉄東西線の太秦天神川駅整備とそれに関連する懸案事項について質問致します。当初の予定を2箇月早めて,いよいよ来年1月,地下鉄東西線の二条から太秦天神川まで延伸する運びとなりました。長年,右京区民の皆さんが熱望されていただけに,その実現は大変喜ばしく思っております。この太秦天神川駅には,区役所の総合庁舎をはじめ交通局の本庁舎,また地元の便益施設として地域体育館や右京中央図書館も併設されており,正に右京区の玄関口にふさわしいにぎわい施設が誕生することになりました。また,在来の京福電鉄嵐山線も新たに駅を設置されることになり,駅名も仮称天神川駅として地下鉄東西線と連絡できるようになりました。 そこでお尋ね致します。まず京阪京津線車両の太秦天神川駅までの乗入れについてであります。現在京阪京津線車両は,京都市役所前まで乗り入れ折返し運転を行っておりますが,京都市役所前以西の鉄道接続駅である烏丸御池駅や二条駅まで行かれる乗客は乗換えせざるを得ず,大変不便を強いられており市民はもとより観光客から不評であります。京阪京津線車両京都市役所前までしか乗り入れていないことにつきましては,東西線建設に際しての経緯や経費面など色々と事情があったことは承知しておりますが,浜大津駅と太秦天神川駅までを直通運転できれば市民や観光客の利便性の向上につながり,ひいては旅客増,収入増が期待でき地下鉄東西線の延伸事業の効果も一層高まるものと思います。そこで色々と困難な面もあろうかと思いますが,この際,京阪電鉄と協議され,京阪京津線車両の太秦天神川駅までの乗入れを実現されてはいかがでしょうか,市長の御所見をお聞かせください。 次に,今回の天神川への地下鉄延伸に合わせて右京区役所の総合庁舎など公共施設に加えバスターミナルや京福電鉄の新駅設置など正に右京区の玄関口にふさわしい新たな拠点が誕生することになり,右京区民はもとより市民の皆さんや観光客の期待が高まっているところでございます。御承知のように右京区は,南北に長い地形であるため,北部や南部の地域住民の方々から,この新たな拠点を結ぶアクセスつまりバス路線の整備を望む強い声がございます。こうした地元の皆さんの強い要望にこたえる誰もが利用しやすいバス路線とする必要があると考えます。そこで地下鉄東西線天神川延伸に伴う地域のバス路線の整備をどのようにされますか,計画なり実現の方向性についてどのように考えておられますか,市長の御所見をお聞かせください。 早いもので京北町との合併から2年が過ぎました。思い起こせば,平成16年9月市会定例会の一般質問において,京北町との合併にかかわる市長の決意をお聞きしましたところ,桝本市長は,京都市及び京北町の住民の皆さんに合併して本当に良かったと実感していただけるよう決意を新たに全力でまい進していきたい旨の答弁をされました。当時の京北町の皆さんは,合併に対して期待と不安が錯綜する気持ちでおられたことも事実であります。そのような中で市長の明快な決意が地元に大きな勇気を与えることとなり,その結果,合併時には,各種分野における事務事業が円滑に移行されるとともに,地元組織の再編拡充等もスムーズに運び,また合併後,新たに実施されております地域振興にかかわる各種事業により徐々に地元住民の皆さんには市政への理解と新たな決意が生み出され,より一層の地域振興に対する機運も広がっており,本市に編入合併して良かったと考えておられることと推察致します。 しかしながら,今後の地域振興を考えるとき,少なからず課題があり,その中でも特に深刻で大きな課題が二つあると思います。その一つ目は,地域産業のかなめであります林業の不振に直面している現状であります。その二つ目は,地域社会の住民生活の営みにおいて農山村が抱える少子高齢化の深刻な現状であります。 一つ目の林業の不振についてでありますが,特に京北地域の林業は,室町時代初期に造林が行われるなど極めて古い歴史を持っており,地域社会,経済の活動も林業とのかかわりなしでは考えられないほど密接な関係を持っておりました。今日においても地域住民の皆さんの思いの根底には,以前のような地域林業の営みを中心とした社会や経済構造の実現が根強く残っております。こうしたことから京都市におきましては,合併を契機に全国的に見ても大変充実した森林整備に対する独自の支援策であります京都市森林総合整備事業を京北地域全体に拡大実施され,当該地域の植林や育林事業に対する支援が充実されました。さらには,昨年度には製材施設が整備され木材供給体制の充実が図られ,また,消費を促進するために民間での市域産木材の需要活性化対策として京の杣人工房事業にも取り組まれていることは,京北地域の活性化を望んでいる一人として評価しているものでございます。しかしながら,既に同僚議員や勇退された先輩議員から幾度となく質問がありました公共事業への木材の積極的活用という面では,まだまだという感がしてなりません。京北地域の活性化は林業の振興に懸かっております。全国的な状況ではありますが,今の林業の状況では,行政の支援なしには存続できないと言っても過言ではありません。私が考えております具体的な木材の活用例と致しましては,一つ,いやしの効果が期待できる学校の図書室への木材活用,二つ,下京中学校などで人気があります学校机の天板やいすの更なる普及,三つ目,消防学校や下京消防署の新築の際の利用,四つ目,美術館などの周辺空地へのウッドブロックの設置,五つ目,道路側溝の木製ふたへの利用でございます。このような活用例は,その気になれば可能と考えられるものでございますが,より踏み込んだ市長の御所見をお聞き致します。 二つ目の少子高齢化の深刻な進行についてでありますが,京都府の発表によりますと,京都市域に65歳以上の人口割合が50パーセント以上を占める集落,いわゆる限界集落が京北地域も含め北区の小野郷や左京区の久多など京都市の北部山間には8集落あると聞いております。今申しました限界集落といいますのは,大野晃長野大学教授が平成3年に提唱された概念でありまして,山間地や離島などにある集落が急速な過疎化,高齢化の進行で生活道路の管理,冠婚葬祭など共同体としての機能が衰えてしまい,やがて集落が消滅に向かう状態を言い,共同体として生きていくための限界という言葉で表現されたものであります。良好な状態とは,55歳未満の人口の割合が50パーセント以上あり後継ぎが確保されて共同体の機能が次世代に受け継いでいける状態を指し,存続集落と言います。限界集落の一歩手前は,準限界集落といって55歳以上の人口が50パーセント以上で現在の共同体の機能は維持しているが後継ぎの確保が難しくなっている状態を指します。さらに,65歳以上の人口が50パーセント以上となって共同体としての機能を失っている状態を超限界集落と言い,そして消滅集落へ向かうと述べておられます。それらの集落の地域住民の皆さんにとりましては,日々の生活に不安があり本市にとりましても非常に深刻な問題であります。昔から人のつながりである集落の社会システムは,無償の奉仕,言い換えればしがらみから成り立っております。若い人には理解できないかもしれませんが,年をとれば近所の皆さんに世話になる代わりに,元気で働ける間は自分のことのように近所のお年寄りの方々に奉仕を尽くすことこそが集落の維持と存続のための規範でありました。しかし,過疎化,高齢化の大波は,集落を容赦なく衰退させていき若い人を地域から追い出してしまいました。京北の皆さんは,本市の過疎地域自立促進計画では到底追い付かないと言っておられます。こうした現状から,地域で生まれても地域でお世話する,お世話になるといった順繰りの相互扶助の前提が成立しなくなり,集落を支えてきた伝統的な習慣が崩壊していくことは非常に残念なことであります。 そこで市長にお尋ね致します。京北地域のみならず北部地域が長年培ってきた相互扶助の慣習による地域生活の安全システムが成り立たなくなった場合,これに代わるべき高齢者が安心して老後が暮らせる総合的な福祉の支援が不可欠であると考えられます。いかがですか,市長の御所見をお聞き致します。なお,京北自治振興会からも,こうしたお年寄りの方々のための特別養護老人ホームの建設についての要望があると聞いております。この点も含めて御検討いただきますよう要望しておきます。 次に,公園緑地の再整備について質問致します。4月1日には伏見桃山城運動公園,またこの5月19日には右京区に太秦安井公園がオープン致しました。そこで公園の整備についてお尋ね致します。太秦安井公園につきましては,右京区の地域体育館の予定地であったものを地域体育館が右京区総合庁舎と合築されることとなったため,地元の熱い要望を受けて公園として整備されたものでございます。整備に当たっては,地元はもとより右京区体育振興会など広く意見を求め,特に地域とのパートナーシップの下で計画が練られ,地域防災の拠点を備えるとともに,グラウンドゴルフなど子供から高齢者の方々まで誰もが気楽に楽しめるニュースポーツもできるすばらしい公園に仕上がりました。私は,太秦安井公園の設置は,これからの公園整備のモデルになると思います。公園が少ない地域に新設することはこれも大切なことですが,京都市には公園が726箇所あり,そのうち40年以上経過している街区公園が163箇所,戦前に設置された公園が56箇所もあるとのことであります。少子高齢化が進む中,子供が遊んでいない,また利用の少ない公園も多数あると聞いております。その再整備が大変重要であると思います。ここ数年来,建設局の努力によりまして公園緑地の再整備が進められていることは,地域住民の皆さんにとって誠に喜ばしい限りであります。 平成16年4月には南区上鳥羽に火打ち形公園が設置されました。ここは計画段階から地域の皆様やスケートボード協会の協力を得て京都市内で初めてスケートボード広場を備え,芝生広場や多目的広場,子供たちの遊戯施設も設置されています。平成17年3月には,上京区の二条城の北西に二条公園が再整備されました。ここは二条城の景観に配慮して色々な種類の桜と四季折々の花や紅葉を植栽し,多目的広場,花壇,遊具,池などを配し多世代が憩える公園として生まれ変わりました。また平成18年11月には,南区鉾立公園が再整備されました。ここには子供たちが野球やサッカーもできる多目的広場のほか,災害時の一時避難場所や救護活動の拠点となるよう防災施設が整備されており,地下防災倉庫,かまどベンチ,災害用トイレマンホール,さらには,災害時に医療,救護スペースとして利用できるパーゴラも設置されています。再整備に当たっても,地域の皆さんと一緒になってこの地域にふさわしい公園に造り上げていくとの視点が大切だと思っておりますが,今後の公園整備の在り方について建設局長の御所見をお伺い致します。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 井上与一郎議員の御質問にお答え致します。 初めに新景観政策の実施及び推進に向けての取組についてお答え致します。先の市会におきまして大所高所から,また多方面にわたって御審議いただき,この政策を全会一致で御議決いただきましたことに改めましてこの席をお借り致しまして御礼申し上げます。新景観政策につきましては,9月1日から施行することとしているところでございます。そのため4月には,景観行政部門に井上与一郎議員御指摘のとおり,局長級の景観創生監の創設をはじめ審査指導体制の強化と組織再編を行ったところでありますが,さらに,この7月1日に新たに民間経験のある優秀な建築職を10名程度採用することと致しております。また,今回の新景観政策に係るデザイン基準につきましては,多くの御意見を踏まえて優れた提案を受け入れる進化するデザイン基準と致しました。このような基準の運用に当たっては,高度な審査能力が要求されることから,9月1日までの間に職員に対ししっかりと研修を行い市民の皆様の期待にこたえられるよう職員の資質の向上を図って参ります。また,既存の分譲マンションにお住まいの方々への支援策である良質なストックとしての維持保全,建て替えに向けたアドバイザー派遣制度につきましては,市民の皆様の御相談に一日も早く対応できるよう,9月の新景観政策の施行を待つことなく7月には先行して実施して参りたいと考えております。これらのほか先の市会においていただきました決議につきまして重く受け止め,これらをすべて速やかに実行に移すべく全庁挙げて取り組んでいるところでございます。また,先の市会で御議決いただいた後提出される建築計画につきましては,9月からの施行を踏まえ,いわゆる駆込み建築とならないよう指導しているところでございます。平成の京づくりとなるこの大事業に,私は市民の皆様と共に勇気を持って取り組んで参る決意でございます。 次に,京阪京津線車両の太秦天神川駅までの乗入れ延長についてでございます。歴史と伝統を継承する右京区に新たに地下鉄太秦天神川駅の開設や右京区総合庁舎,地域体育館,右京中央図書館等の公共施設が一体的に整備され,まさしく右京区の玄関口にふさわしい新たな拠点が誕生致します。これを契機に,現在京都市役所前駅止まりとなっている京阪の京津線車両を太秦天神川駅まで乗入れ延長すべきとの井上与一郎議員の御提案には私も全く同じ思いでございます。乗入れ延長により浜大津駅から乗換えなしに烏丸御池駅や二条駅の都心部に接続するとともに,さらには,京福電鉄との連絡により京都を代表する観光地である嵐山と琵琶湖を直結する観光ルートが出来ることとなります。加えて京都市役所前以西の運行本数も増加することとなり,市民や観光客の利便性の向上に大きな効果をもたらし,お客様の増加につながるものでございます。これまで京津線車両の乗入れ延長につきましては,電力設備の増強や京阪電鉄への車両使用料の負担増などの課題がありましたが,この度の天神川延伸をきっかけに何とか実現したいという思いで京阪電鉄と具体的な検討を重ねているところでございます。今後,諸課題の解決や乗入れ本数の協議を進め,平成20年1月の延伸開通と同時に浜大津駅から太秦天神川駅までの直通運転を実現して参る所存であります。 地下鉄東西線の太秦天神川駅開設に伴う市バス路線の整備についてお答え致します。右京区の新しい拠点の誕生であります。地元の皆様から市バス路線の整備について多くの御要望をいただいており,右京区民の皆様はもとより市民,観光客の期待にこたえる市バス路線の充実を図ることが極めて重要であります。このため交通局において,各部署が連携した市バス路線再編検討委員会を設置し右京区を運行するバス路線を中心に検討を進めており,再編の実施時期につきましては,平成20年1月の地下鉄開通時に一体的に行うことと致します。また,再編に当たりましては,太秦天神川駅や右京区総合庁舎等の新しい拠点へ便利にお越しいただけるようにする必要があり,駅周辺を運行している既存路線のバスターミナルへの乗入れと右京区の南北を結ぶ新たな路線の開設を重点に地元の皆様の御要望を十分踏まえて参ります。今後とも1人でも多くの市民の皆様に御利用いただき喜んでいただける市バスになりますようしっかりと取り組んで参ります。 次に,京北地域等における林業振興支援策についてお答え致します。桂川上流の京北地域は,日本林業の中でも極めて古い歴史を持つ林業地帯で,都の造営や御所炎上後の再建に際しまして,大堰川をいかだで流す水運を使って膨大な量の建築用材がこの地より供給されたという歴史も残っております。いにしえの人々は森林からの恵みによって都を造営し,三方を山に守られた山紫水明の古都を築き上げ,その過程では世界に誇るべき木造建築文化も育ち,木を中心とした循環型の生活文化が定着して参りました。一昨年の旧京北町との合併により本市の森林面積は,市域全体の4分の3にも達することになり,これらの森林を守り市政に生かしていくことは,林業振興は言うまでもなく環境共生型都市京都のまちづくりを進めるうえにおいてもますます重要な課題となって参っております。京都市と致しましては,今後とも森林整備に対する支援に加えまして,木材供給体制の充実や需要拡大対策についても強力に推進して参ります。とりわけ公共施設への市内産木材の活用につきましては,本年4月に開校した下京中学校をはじめとする学校施設を中心に取り組んできており,関係者からも大変喜ばれているところであります。今後とも議員御提案の活用例を参考に,他の施設についても積極的な活用を図り京北地域を含む本市林業の振興につなげて参りたい考えてございます。 京北地域を含む北部地域における高齢者福祉についてお答え致します。井上与一郎議員御指摘のとおり北部地域におきましては,伝統的な相互扶助の良き慣習が集落を支え,そこに住まう方々が老いても安心して暮らせるシステムが培われておりましたが,近年の少子長寿化や人口減少等の進行により地域社会における自助,共助の機能低下が懸念されます。そのため公助としての介護サービスをはじめとする高齢者のための行政施策の展開が重要であると認識しております。このため本市では,これまでから山間地域において必要な介護サービスを円滑に提供するため,サービスを提供した事業者に助成する介護サービス山間地域提供協力金制度の創設や,左京区花脊における地域密着型サービスの拠点整備などを行って参りました。今後北部地域における高齢化が一層進展することから,地域住民の皆様のニーズを的確に把握し住み慣れた地域で尊厳を持って暮らしていただけるよう地域密着型サービスの基盤整備や様々な居宅サービスの更なる充実,健康づくりや介護予防などの事業に鋭意取り組んで参りたい考えでございます。 以下,上原副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からは教育扶助資金給付事業についてお答え致します。井上与一郎議員御指摘のとおり,本事業につきましては,本市の厳しい財政状況の中,乳幼児医療費支給制度の拡充など今必要な施策を行っていくための財源を確保するため,19年度予算案において段階的な見直しを行うこととする提案をさせていただきました。しかしながら,子供が私学に進学する家庭には修学費用の負担が困難な場合もあることや,府下との格差拡大に心を痛められた自由民主党京都市会議員団団長をはじめ与党3会派の団長の皆様から,京都府知事に対し高等学校修学援護事業の京都市民への適用について御要望いただきました。このことを踏まえ,桝本市長の決断により当該事業が京都市民も対象とされるまでの緊急措置として,これまでどおり教育扶助資金給付事業を継続して行うことと致しました。本市と致しましては,与党3会派の皆様の思いを受け,京都市民は京都府民であることを念頭に置いて,京都府の高等学校修学援護事業が早期に京都市民に適用されるよう京都府と協議調整を行って参ります。また,教育扶助資金給付事業につきましては,学費の負担が困難な高校生等に対する修学支援の観点から,京都府の制度が京都市民にも適用されるまでの間,堅持して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 山崎建設局長。 〔山崎建設局長登壇〕 ◎建設局長(山崎糸治) 今後の公園整備の在り方についてお答え致します。本市では潤いのある市民生活の実現のため公園の整備に努めて参りました。その中で本市には戦前に整備した公園が56箇所,また整備後40年以上経過した公園が163箇所あります。議員御指摘のとおり,こうした公園の中には,核家族化,少子高齢化等の社会状況の変化の中で子供たちが遊んでいない,あるいは利用の少ない公園がございます。そのため既に一部の公園におきまして,安心安全のまちづくりや活力あるまちづくりの観点を踏まえたうえで市民とのパートナーシップの下,防災機能の強化や地球環境の保全等,時代のニーズや地域の特性に合うように順次再整備に取り組んでおります。この度開園致しました太秦安井公園につきましても,これまでの再整備の経験を生かし多様化したニーズにこたえられるようワークショップを開催するなど地域の皆様と共に整備を進めてきたものであり,正に計画段階から運営に至るまで市民参加型によるものであります。これは議員御指摘のとおり今後の公園づくりのモデルになるものと考えております。今後とも公園の再整備に当たりましては,こうした経験を生かし地域の皆様との連携の下,誰もが気軽に楽しめ安心して利用していただける施設となるよう取り組んで参ります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 次に,市政一般について,橋村芳和議員に発言を許します。橋村議員。 〔橋村芳和議員登壇(拍手)〕 ◆(橋村芳和議員) 伏見区選出の橋村芳和でございます。自由民主党京都市会議員団を代表致しまして市長並びに関係理事者に質問を行います。 まず初めに,2008年主要国首脳会議,いわゆるサミットでございますが,その外相会議についてお尋ね致します。先月23日,来年我が国で開催される5回目のサミットの首脳会合の開催地に北海道洞爺湖町が選ばれました。安倍総理は,最後まで北海道か京都かで悩まれ,最終的には警備面や最近の北海道経済に元気がないことなどにも配慮して総合的に判断したということですが,首脳会合の京都開催を目指してオール京都での誘致活動を行ってきた私たちにとりましては誠に残念な結果となりました。とはいえ去る5月11日には,外相会議は京都で開催することが正式発表されました。御承知のとおり,外相会合は,サミットにおいて首脳会合に次いで注目を集める会合であります。数ある国際会議の中でも極めて格の高い重要な会合の一つであります。2000年に我が国で開催された九州・沖縄サミットの際,外相会合の開催地となった宮崎には,世界各国から約750人の政府関係者や600人を超えるマスコミ関係者が集まり大きなPR効果があったと言われております。コンベンション都市である京都市にとって,今回のサミット外相会合の開催は一つの栄誉であり,京都文化の内外への発信の面からも非常に意味があると考えます。桝本京都市長におかれましては,大いに胸を張って外相会合の開催に向け地元としての準備を進めていただきたいと思います。 昨年5月,京都市会では2008年主要国首脳会議,サミットの京都開催に関する決議を行いました。本決議にもありますとおり,私は,今も京都ほど主要国の首脳が一堂に会し世界の平和と繁栄についてゆったりと語り合うサミットの開催地としてふさわしい地はないと思っております。また,サミット外相会合のような全世界が注目する会議が京都で開催されることにより,世界は,日本の象徴たる京都の豊かな自然に感嘆し,悠久の歴史に感動し,洗練された文化に魅了されるに違いありません。そして,このことは京都の国際的評価をより高めることにつながることのみならず,激動する国際社会において日本が世界から尊敬され,確実なる地歩を築くうえで大きく貢献するものであると確信致しております。 桝本市長は現在,景観,文化,観光の三つの視点から,1200年を超える悠久の歴史にはぐくまれ今も日本の伝統文化が生き続ける世界でも稀有の歴史都市であり,我が国の,また国民の貴重な財産である京都の持つ歴史的,文化的な価値を国として守り生かすべきであるという国家戦略としての京都創生の取組を進めておられます。21世紀の我が国の政策の方向は,文化,伝統,自然,歴史を大切にするなど国民が自信と誇りを持てる美しい国日本であり,流れとしてまさに京都創生の目指す方向と同じであると考えますが,この機運の高まりの中で京都創生を実現し,かつ更にそのスピードを速めていくためには,今回京都で開催されるサミット外相会合の機会を活用することが有効であると考えます。桝本市長におかれましては,これから関係機関と連携を図り,市民の賛同と協力を得てサミット外相会合の成功に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思います。来年のサミット外相会合開催に当たって市長の決意をお伺い致します。 京都市職員の不祥事根絶のための取組についてお尋ね致します。昨今,一部の地方公共団体において,公金の着服や飲酒運転による交通事故など不祥事が相次ぎ,国民,住民の地方行政に対する信頼は大きく揺らいでおり,地方分権を一層推進していこうとする流れの中にあって誠に由々しき事態であります。本市におきましても,昨年度逮捕者が14名,懲戒免職処分者が20名など市職員による不祥事が相次ぎ,連日,新聞,テレビ等で大きく報道され,市民の皆様の市政に対する信頼は,まさに地に落ちたものであります。このような事態を受けて,桝本市長におかれましては,昨年8月に信頼回復と再生のための抜本改革大綱を策定し,市長自らが本部長となる大綱推進本部を設置され,不祥事の根絶に向けて長年のうみを出し切るため不退転の決意で取り組んでおられます。また京都市会におきましても,不祥事の原因究明と不祥事根絶のための仕組みづくりをチェックするため,本市会で初めてとなる常任委員会連合審査会の開催,議員の議会招集請求による臨時市会の12年ぶりの開会,職員の綱紀粛正については54年ぶりの調査特別委員会となる職員の不祥事に関する調査特別委員会,市民の信頼回復と服務規律に関する調査特別委員会を設置し,市民の皆様の信頼回復に向けて徹底した論議を行って参りました。 こうした論議を踏まえ,技能労務職員の新規採用凍結や長期在職者の異動の実施,懲戒処分指針の厳罰化,分限免職処分の基準策定,退職手当条例の改正,生活保護業務に係る現金等の取扱いルールの全面改正など不祥事を抑止する仕組みづくりを進めることができました。また,各局区などにおかれましても,文化市民局における各種マニュアルの策定や不祥事防止に向けた改革策の各区,支所版の策定など独自の取組を主体的に実施してこられました。その結果,仕組みが構築されただけではなく,名札の着用が徹底されるなど職員の行動面にも少しずつ変化が現れて参りました。私は,約9箇月間という短い期間でこのような成果を出されたことに対しまして,桝本市長のリーダーシップと特に市民の皆様の市政に対する信頼回復に向けた大多数の京都市職員の熱い思いを感じました。 しかしながら,先日なされた第1次総括にもありましたが,現時点においては,不祥事続発の要因をすべて解消したとまでは言えないのも否定できないところであり,今後,仕組みを厳格に運用し職員の意識改革を更に徹底していくとともに,問題事象を早期に把握し早期解決するための取組,例えば職場のコミュニケーションをより一層活性化する,あるいはまた公益通報制度を充実していくといったことが必要であると考えます。自民党市会議員団と致しましては,これまでの調査特別委員会の果たしてきた成果を踏まえ,引き続き厳しく各局の取組をチェックして参りますが,改めて不祥事根絶に向けた市長の決意と今後の取組の進め方についてお伺い致します。 本市会に市長側から京都市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例が提案されております。この条例は,そもそもは本年2月市会に京都市会議員政治倫理条例,通称モラル条例を議員提案させていただきましたが,その際に,市長側に対し現在の公正な職務の執行に関する体制について見直すべき所は見直し,市や市民等の責務を明確化するといった一層の充実した内容のものとして条例化することを求めたものがきっかけとなって今回の提案に至ったものと理解致しております。他都市では議員の不正な口利きにより職員の公正な職務が妨げられるような事件が報じられておりますが,幸いにも我が京都市におきましてはそういった事態には至っておりません。しかしながら,こういった他都市の事例を教訓とし,我々議員及び市長をはじめとした職員は,共に公務に携わる者と致しまして高い倫理観の下に行動することが求められているのではないでしょうか。そういった点においては,今回市長から提案されました条例と市会によるモラル条例とが相まって公正公平な市政の確立に向けた一定の仕組みが構築されたものと考えております。今後こういった取組を広く市民に浸透させ,我々議会と職員と市民の三者が一体となって取組を進めていくような体制を築いていくことが重要ではないかと思います。 しかしながら,条例の仕組みを整えるだけで終わってしまっては,仏を作って魂入れずということにもなるのであります。この条例をどのように生かしていくかが課題ではないかと思います。我々議員も市民の疑惑を招くことがないよう常に襟を正して行動する必要がありますが,執行機関側にもこの条例を形だけのものにすることなく,公正な職務の確保に向けて職員一人一人が意識して取り組むことが重要であると考えるものであります。一方,不正な要望に対しては,これに毅然と対応することは当然のことでありますが,市民の正当な願いが不正な要望として退けられることがないよう職員一人一人が市民の要望に真摯に耳を傾ける姿勢が必要であります。ついては,この条例の制定を通し,公正な職務の執行を確保し市民に信頼される市政の実現に向けて取り組んでいくことについての市長の決意をお聞かせいただきたいと思います。 次に,本市の環境施策についてお尋ね致します。京都市では昨年10月より家庭ごみの減量のため有料指定袋制の導入を図られました。我々自民党市会議員団も,有料化は市民に負担を掛けるものの市民一人一人の暮らしに非常に身近であるごみへの関心を高め,ごみ減量の取組を通して現在のライフスタイルを見直し,循環型社会の構築,地球環境問題の解決に極めて効果的であるとして,有料指定袋制の導入に賛成致しました。このような環境型社会の構築,地球環境問題の解決に大きな意義を持つ家庭ごみ有料指定袋制について,多くの市民の方々の理解と協力の下,制度開始から約半年が経過したところでありますが,市長が当初見込んでおられました平成22年度の家庭ごみ2割,ごみ総量1割削減の達成に向けて,この半年間の家庭ごみ,資源ごみの減量の成果を踏まえて,この目標の達成見込みをお示しください。 環境局施策と市民啓発等の充実についてお尋ね致します。昨年実施した有料指定袋制は,事前無料配布等で混乱はあったものの,その目的であるごみ減量も着実に進んでいるとのことであり,これは京都市民の方々の高い御理解の賜物であると考えております。本年10月から実施するプラスチック製容器包装の分別収集については,現在モデル実施している約1割世帯の方々の排出実態や御意見を参考にし,市民の方に分かりやすい説明を行う必要があります。また,周知に際しては,市民の方に身近なまち美化事務所と区役所が連携してきめ細かな啓発を実施するとともに,環境局の様々なごみ減量,リサイクルの取組についても併せて紹介し,それらの取組が地域に根差す必要があると考えますが,具体的にどのように取り組んでいくのかお答えください。 次に,有料指定袋制導入に伴い得られた財源の活用についてでありますが,有料指定袋制の導入により市民に負担いただいた貴重な手数料の使途については,市民の関心も高く,条例改正時の付帯決議でも環境行政の向上に役立てるよう求めております。今後のごみ減量を更に着実なものとするためには市民一人一人の協力が不可欠であり,そのためには市民の身近なごみ減量への取組に対する働き掛けや後押しが必要であります。今年度の予算に盛り込まれた有料化財源の活用事業における市民のごみ減量の取組に対する支援をしっかり進めていただきますよう強く要望致しておきます。 次に,教育問題についてお伺い致します。今,国においては,安倍内閣の下,戦後教育の総決算と将来の日本を担い得る国民の育成に向け,教育を最重点施策として我が国の英知を集めた教育再生会議において精力的な論議が展開されております。拙速であるとか学校現場と遊離した議論であるとか,総花的であるとか様々な意見がありますが,子供たちにより良い教育を,そしてそれには国民こぞってそれぞれの立場からかかわらなければならないものと思います。門川教育長も全国の教育長からただ1人委員に就任し,学校現場の苦労や課題,また地域の実情を熟知した立場から貴重な意見を述べてこられました。また,積年の課題であった教育基本法が60年ぶりに改正され,新しい教育理念として家庭教育や幼児教育,生涯学習,学校,家庭,地域住民の連携協力などについても新たに条文化されるなど社会全体の機運も大きく変わろうと致しております。しかしながら,青少年を巡る危機的な実態や家庭教育の崩壊を突き付けられるような事件が後を絶たない中で,教育改革は一刻の猶予もならないのが現実であります。 本市においては,桝本市長が教育を最重点課題として取組を進められ,PTAや地域団体,経済界等幅広い分野の団体が枠を超えて参画される人づくり21世紀委員会の活動をはじめ,常に市民ぐるみで大人自身の課題として子供の教育をとらえ行動の輪を広げる取組が進んで参りました。特に,幅広い市民の皆さんの参画によりこの度制定された子どもを共に育む京都市民憲章は,次の世代を担う子供のために大人としてどうあるべきか,一見当たり前でも実践がなかなか難しいことや,家庭や学校だけでは効果を上げにくい社会全体の課題など共に生きるうえでの行動規範を分かりやすく示したものであり,私もPTAの立場から大きな期待を寄せております。 しかし,市民憲章としては51年ぶりに制定されたこの憲章を市民生活の中で根付かせていくためには,正に市民挙げての地道な実践が求められます。地域における様々な団体の連携は当然のこと,まずは子供のためという意識を共有し,憲章を拠り所にし市民一人一人が手をつなぎ,大人自身のライフスタイルの在り方を考え直す契機にしたいものであります。同時に市政においても,単に保健福祉局であるとか教育委員会であるとか担当部局だけの仕事にとどまることなく,将来の親を含めた子育て世代への働き掛けや,健康や安全,環境,さらには子供の生活に及ぼす社会の影響全体にも行政としてあるいは1人の大人として責任を負う姿勢が今こそ求められております。そうした意味でも,今回制定された子どもを共に育む京都市民憲章を京都市総体として,すべての施策においてその精神を行き渡らせることが極めて重要であります。そこでお尋ね致しますが,今回の子どもを共に育む京都市民憲章を真の意味の市民憲章とするため,京都市総体としてどのような推進体制を構築していかれるのかお考えをお示しください。 次に,社会総掛かりの教育についてお伺い致します。先ほども述べました子どもを共に育む京都市民憲章の具体化も,市民総掛かり,社会総掛かりの取組であります。私は,これまでから保育園,小学校のPTAや地域生徒指導連絡協議会での活動を通じ,地域と連携を深めながら進める学校教育活動にかかわりをして参りました。そして市民総掛かり,社会総掛かりで教育を進めていくことの必要性と難しさを常々感じるところでございました。さらに,核家族化が進行し地域社会の弱体化が危惧される中,加えて国では学校選択制やバウチャー制度などを推奨する意見が一部にあり,地域と学校の結び付きが希薄になることを大変危惧すべき状況にあります。 私は,現在,地元の醍醐小学校のPTA会長として,こども110番のいえの募集を行ったり,登下校の子供の安全を確保するこども見守り隊の運営など子供の安心安全の取組に参画しております。当初は,仕事が忙しいから,学校の先生がしてくれるでしょう,また,自分の子供のことではないからと理解をされない,いわゆる冷めた親や地域の方々もおり,なかなかボランティアが集まらずじくじたる思いがありました。しかし,参加した保護者や地域のボランティアの皆様が子供の安全にかかわる情報を共有することで課題意識を共有し,登下校の見守り活動等を続けるにつれ,子供との対話や笑顔に触れ喜びを共有する中で取組の輪が広がり,子供の安全という切り口から結束する地域のネットワークが何とか出来つつあります。こうした保護者,地域の方々一人一人が子供に関する取組に自ら参画することで初めて自分の子供だけでなく地域の子供の育ちにも目を広げ,子供の教育が他人事ではなく自分たちの問題としてとらえられる当事者意識が生まれてくるのだと実感致しました。ただ,目の前の安全の問題だけではなく明日の京都を担う子供たちを幅広くはぐくむためには,地域,家庭,学校が一体となった取組を更に発展させなければなりません。そのためには保護者,地域の方々一人一人が当事者意識を持って学校の様々な取組に参画していかなければ,家庭も地域も学校も良くならないのではないでしょうか。 京都市では,これまでから地域の熱意と浄財により設立,運営された明治の番組小学校以来,地域,家庭,学校が一体となって子供をはぐくむ伝統が息づいております。その象徴が教育再生会議でも推奨されている学校運営協議会であり,京都市は全国に先駆けて平成16年に導入,設置校数は全国最多の60校に拡大されております。私は,学校運営協議会の委員となったPTAの先輩から,地域や保護者等の委員が書類や説明だけでなく実際の色々な学校教育活動にボランティアとして参画することを通じて学校の現状や教育目標などに理解が深まり,さらには,講師の採用面接に加わり授業評価を行ったり様々な学校運営に参画でき,先生方の苦労も分かり相互理解が深まった,学校が好きになったとの声を聞きました。また,校長先生からも多くのボランティアの皆様が献身的に協力していただいているとの喜びの声も聞きました。この学校運営協議会の取組を通じ市民総掛かり,社会総掛かりの教育の体制を構築することこそ私が常に訴えております地域,家庭,学校の信頼回復,そして子供たちが伸び伸びと成長できる環境づくりへとつながるのではないでしょうか。そこでお伺い致しますが,本市では学校運営協議会についてどのような考えの下に取り組んでこられたのか,そして今後どのように展開していかれるのか,教育長の所見をお伺い致します。 最後に,源氏物語千年紀事業についてお尋ね致します。日本を代表する女流作家,紫式部によって書かれた源氏物語は,平成20年に記録の上でその存在が確認できる年から1000年を迎えます。源氏物語は,世界最古の長編小説であるばかりでなく,光源氏をはじめとする多彩な登場人物と共に豊かな構想力,流麗な表現力などから日本文学史上第一級の作品であるとも言われております。1000年も前の作品であるにもかかわらず,今なお光り輝き,その魅力は人々の心をひきつけており多くの愛読者や研究者を輩出し,源氏物語に関する口語訳,注釈書,研究書などを次々と生み出し,また,海外においても英語やフランス語をはじめ多くの言語に翻訳され,その読者を魅了していると言われております。先月には,京都市や京都府,宇治市,京都商工会議所等により構成される源氏物語千年紀委員会の事務局が開設されましたが,その開設式には,親日派で京都のファンでもあるフランスのシラク前大統領から源氏物語への賛辞やフランスにおける源氏物語全巻を出版する企画への思いなどをつづったメッセージが届けられたほどであります。このように海外において源氏物語千年紀を記念した取組が展開されることは,源氏物語のみならず京都や日本への関心や理解が深まるうえでもすばらしいことであると思います。 また,源氏物語は文学作品としての価値にとどまることなく,その後の時代における美術,工芸,演劇などの芸術や日本の生活文化にも深い影響を与え続けているとも言われています。源氏物語の舞台である京都には,紫式部が生まれ育ち源氏物語を執筆した屋敷跡とされる廬山寺をはじめ源氏物語ゆかりの京都御所,渉成園,野宮神社,上賀茂神社など,その当時をしのぶことのできる場所が数多く存在致しております。また,先日5月15日には葵祭が行われましたが,当時賀茂祭と呼ばれていたこの祭りを見学しようとした葵の上と六条御息所の争いの話が源氏物語には出て参ります。さらに,源氏物語の舞台は,京都市のほか宇治市など京都府下の地域や他府県にも及びます。私の地元である伏見は,宇治との結び付きも強く,伏見・宇治広域観光連携協議会が中心となって伏見・宇治につながるクーポンマップの発行,宇治の鵜匠を伏見に招いての鵜飼いの披露などの取組が進められており,源氏物語千年紀事業についても広域的に宇治市などとも十分連携して取組を進めていただきたいと思います。先週には千年紀委員会から源氏物語千年紀の事業構想やシンボルマークなどが発表されたばかりでありますが,平成20年の源氏物語千年紀は,悠久の歴史にはぐくまれた京都が持つ日本文化の奥深さ,すばらしさを広く国内外に発信,アピールする絶好の機会であります。今後どのように源氏物語千年紀事業に取り組んでいかれるのか桝本市長のお考えをお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 橋村芳和議員の御質問にお答え致します。 初めに2008年サミット外相会合の開催に向けた決意についてでございます。橋村芳和議員御指摘のとおりサミット外相会合は,各国の外務大臣や報道関係者をはじめ多くの方々が入洛し,世界平和の実現に向けて語り合う国際的に注目される会議でございます。私は,この外相会合は京都の優れた自然景観や歴史,文化等の魅力を国内外に発信する絶好の機会であり,京都創生の取組にとっても意義深いものであると考えております。また市民の皆様や学生にとっても,世界の諸問題や国際情勢に主要国の外交のトップたちがどのように対処するのかを身近に見聞きすることができる機会でもあります。このため私は,サミット外相会合の成功に向けて,引き続き京都市会の皆様の御支援を得て京都府や経済団体,文化団体などの多くの皆様と共に力を合わせ万全の受入態勢を整えて参る所存でございます。また,財務大臣会合,環境相会合の開催地となる大阪市や神戸市とも連携して,関西から日本の魅力を全世界に発信していきたいと考えております。京都ならではのおもてなしの心を持って海外からの賓客を温かく迎えることができるよう,市民の皆様の御理解と御協力を得ながら準備を進めて参りたいと考えております。 次に,不祥事の根絶に向けた取組についてでございます。昨年8月31日に信頼回復と再生のための抜本改革大綱を策定し,今日に至るまで全庁挙げて抜本的,構造的改革を断行して参りました。その結果,議員からもこの間の取組について御評価いただきましたように,不祥事を抑止する仕組みは着実に整いつつあり,京都市を再生するという大綱に込めた私の思いが組織全体に確実に浸透してきていることを実感致しております。しかしながら,現時点では長年のうみのすべてを出し切ったとまでは言えず,大綱に掲げた58の改革策のうち残る10項目の着実な推進,既に実施している項目についての厳正かつ継続的な運用,さらには,研修の充実などの公務員倫理を徹底するための新たな対策について改革の手綱を一層引き締め緊張感を持って取り組んで参ります。 また,職員の不祥事の防止や早期発見,早期解決のため,現在行政内部に設置している公益通報窓口に加え,より通報しやすく透明性の高いものとするため,本年秋を目途に行政外部にも法律の専門家等による通報窓口を設置することと致します。今後とも服務規律と遵法意識が徹底された風通しの良い組織風土を定着させるため,こうした継続的,持続的な取組を着実に推進して参ります。 次に,本市会に御提案しております京都市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例についてでございます。この条例は,職員がその職務に関し受けた要望等をすべて記録し,その概要を公表することにより職務執行の透明性を高めるとともに,不正な要望等に対しては組織を挙げて毅然と対応するための仕組みを整えることにより,市民の皆様から信頼される市政運営を行うことを目的と致しております。もとより市民や議員の皆様方の要望等に対しては,橋村芳和議員御指摘のとおり誠実かつ真摯に対応することは職員の責務であり,このことは条例にも明記致しております。この条例を適正に運用し,かつ実効あるものとするため,今後具体的な運用のためのガイドラインを明確にしたうえで職員研修を十分行うことにより職員一人一人にこの条例の趣旨を徹底して参ります。私は,不祥事の根絶と公務員倫理の確立,公正な職務執行の確保に向けたこれらの取組の成否に京都市の将来が懸かっていると考えており,引き続き私が先頭に立って市民の皆様の信頼回復に向けて断固とした決意で取り組んで参ります。 次に,ごみ減量の成果についてでございます。青く輝く掛け替えのない地球を良好な状態で次の世代に引き継いでいくためには,議員御指摘のとおり脱温暖化社会,循環型社会の構築に向けたたゆまぬ努力が必要であります。このため,ごみ減量に極めて効果的な施策として昨年10月に家庭ごみ有料指定袋制を実施致しました。制度実施後,市民の皆様の御理解と御協力により指定袋の使用率はほぼ100パーセントであり,家庭ごみの量は約15パーセント減少するなど有料指定袋制による減量効果が着実に現われております。改めまして市民の皆様の環境意識の高さに対しまして心からなる敬意と感謝を申し上げます。 本年10月からは,更なる施策としてプラスチック製容器包装の分別収集を市内全世帯に拡大致しますとともに,引き続きリターナルびんの回収拠点やコミュニティ回収団体の拡大など市民の皆様の自主的なごみ減量や分別リサイクルを促進する施策を実施して参ります。私は,こうした取組を積極的に推進することにより,平成22年度には家庭ごみ20パーセント及びごみ総量10パーセントの減量を達成できるものと確信致しております。今後とも市民の皆様とのパートナーシップの下,ごみ減量,リサイクルの促進により明るい環境型都市京都の実現を目指して参ります。 源氏物語千年紀事業についての御質問でございます。世界の文学史上第一級の価値と魅力を有する世界最古の長編小説と評価されている源氏物語が世に知られてから来年,平成20年で1000年を迎えます。また,この年は,サミット外相会合の京都での開催,本市初の姉妹都市パリとの友情盟約締結50周年という本市にとって誠に記念すべき年でもございます。私は,このまたとない機会をとらえ京都の奥深い魅力を広く国内外に発信,アピールして参りたいと考えております。このため京都府,京都商工会議所,宇治市などと共に設立致しました源氏物語千年紀委員会と緊密に連携を取り,広域的な展開も図りつつ本市と致しましても様々な独自事業を行っていくことと致しております。具体的には,今年度はプレ事業と致しまして,市内各所にある源氏物語ゆかりの地に説明板を設置するほか,源氏物語をテーマとした観光客の誘致,京都館を拠点とした東京でのPRなどを実施して参ります。また,源氏物語千年紀である平成20年には更に多彩な事業を展開し,はるかな時空を縫って日本文化の美と思想を今に伝えてきた源氏物語が生まれた京都を発信源とし,日本はもとより世界において日本文化に対する関心と評価を一層高めて参りたいと考えております。 以下,上原副市長及び教育長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からは2点についてお答え致します。最初に市民の環境意識の啓発についてでございます。本年10月からのプラスチック製容器包装分別収集の市内全世帯拡大に向けた周知につきましては,市民しんぶんやパンフレット,ポスター,さらにはビデオなどを活用した全市民向けの周知をはじめ,高齢者,学生,児童など対象を特定した周知も実施致します。また,昨年の有料指定袋制実施に向けた市民啓発の経験を生かし,地域の団体を通じた啓発を関係局,区,支所とまち美化事務所が連携して行って参ります。議員御指摘のとおり,現在モデル実施している約1割世帯の方々の排出実態や御意見を参考にさせていただく必要があることから,本年2月にアンケート調査を実施致しました。その結果,対象品目が分かり難いとの御意見が多かったことから,プラスチック製容器包装の識別表示マークの認知度を上げることを重点に取り組んで参ります。さらに,これらの啓発を絶好の機会ととらえ,本年10月から新たに実施するスプレー缶の分別収集や使用済み天ぷら油や蛍光管などの拠点回収,コミュニティ回収制度などのごみ減量リサイクルの取組についての周知を図るとともに,市民の皆様による取組が地域にしっかり根差すよう,まち美化事務所が積極的な役割を果たして参ります。 次に,子どもを共に育む京都市民憲章についてでございます。子供を社会の宝として共にはぐくもうという市民の皆様の熱い思いが結実したこの憲章は,市会全会派による推進決議をいただき,現在PTA等関係団体の皆様と共に様々な機会をとらえて啓発リーフレットや携帯できる憲章カードを配布するなど普及啓発に努めているところでございます。本憲章を更に推進していくためには,議員御指摘のとおり京都市総体としての体制づくりが必要であり,今後早急に各局や区役所が連携した全庁的な推進体制を構築し,子供をはぐくむための施策を積極的に進めて参ります。また,憲章を具体化する行動の輪を市民ぐるみで広げる方策と致しましては,人づくり21世紀委員会や京都子どもネットワーク連絡会議など関係団体との連携の下,誰もが実践できる行動事例を紹介し共有化するフォーラムの開催や,憲章を率先して推進し市民の模範となる個人,団体の取組への表彰を実施致します。今後とも市民とのパートナーシップにより憲章の理念が市民生活にしっかりと根付き,すべての子供を健やかにはぐくむまち京都の実現を目指して参ります。以上でございます。
    ○議長(内海貴夫) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 学校運営協議会についてでありますが,本市では,京都市民の伝統であります地域の子供は地域ではぐくむという理念を大切に,学校,家庭,地域が連携を深め相互に高め合う双方向の信頼関係に基づく開かれた学校づくりを具体的な施策をもって強力に進めて参りました。例えば平成13年度に学校評議員制度,平成15年には外部評価を含む学校評価をすべての学校で実施し,その結果を公表し改善に生かすなど教職員の熱意と実践,PTAをはじめ地域議員の御協力を得て全国をリードする取組が推進されているところであります。そうした成果を踏まえ,平成16年度には保護者,地域の代表が学校運営に参画する学校運営協議会の設置後,すなわちコミュニティスクールを全国に先駆けて導入し,昨年度までに全国の約4割にも迫る60校に拡大して参りました。本市の学校運営協議会では,委員の方々に御意見をいただくだけでなく,保護者や地域の方々などによる幅広いボランティア参画を得て,子供たちのために共に汗を流す国の制度の趣旨を更に充実発展させた京都市ならではの活動が展開されており,全国からその理念と成果が注目され高い評価をいただいております。今年度中には100を超える学校,幼稚園に拡大する予定であり,今後とも学校,家庭,地域それぞれが互いに批判し合うのではなく,足りない所を足し合い,補い合い,その教育力を共に高め合う市域ぐるみで子供をはぐくむ取組に市民の方々の御理解を得て全力を挙げて参ります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 暫時休憩致します。 〔午前11時36分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(内海貴夫) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 休憩前の一般質問を継続致します。市政一般について,加藤あい議員に発言を許します。加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 左京区から選出されています加藤あいです。私は,日本共産党市会議員団を代表して市長,理事者に質問致します。先の市会議員選挙では,市民の皆さんの大きなお力添えで19名の日本共産党議員を送り出していただきました。引き続き議会第二党を維持するとともに議会招集権を確保することができました。御支援,御協力をいただきました市民の皆さんに心から感謝を申し上げます。日本共産党市会議員団は,京都市が住民福祉の機関として本来の役割を発揮するよう掲げた公約実現に全力を挙げる決意です。7月は参議院選挙,来年は市長選挙です。市民の暮らしをどう守るかが一層厳しく問われることになります。日本共産党市会議員団は,市民の皆さんの期待にこたえ暮らしと福祉優先の政治の実現に一層力を尽します。 初めに今,政治の大きな焦点になっている憲法問題について伺います。自民党,公明党は,国民投票法案,憲法を変えるための手続法案の採決を強行しました。慎重な審議を求める国民の声を無視した暴挙に強く抗議するものです。今国会での与党の横暴なやり方は,結局,改憲派の首相在任中に改憲を実行するため今国会での成立は不可欠という勝手な都合を優先させたものです。憲法改定の狙いは,戦争放棄,戦力不保持を定めた9条を改変して自衛軍の保持を明記し,我が国をアメリカと共に海外で戦争する国に作り変えることです。憲法9条は,1項,2項ともこれまでから大きな役割を果たしてきました。(発言する者あり)アメリカの強い要請を受け,幾ら政府が軍事的な関与を行おうとしても,9条2項に軍隊は持たないと明記されているからこそ最前線で軍事行動できずに来たのです。(発言する者あり)世界の流れは,国際紛争を平和的,外交的な方法で解決する方向に大きく切り変わりつつあります。このときに先駆的な意義を持つ9条を改変し,歯止めのない海外での武力行使の道に突き進むことは,世界の大勢に真っ向から背くものです。 市長は,これまでから日本国憲法の平和理念を守ると述べてこられました。これは,国際平和を希求し武力行使を放棄した憲法9条1項についての言及だと考えます。今,問われているのは,戦力の不保持をうたった9条の2項です。真言律宗総本山西大寺宗務長佐伯快勝さんは,憲法9条が戦力を持たないというのは,原因になるものを持たないということであり,この憲法の一番すごい所と述べておられます。清水寺貫主の森清範さんも武力を持たず話合いでという9条には,人を敬い人を信頼し愛するという基本がありますと憲法9条の2項を守る立場を述べておられます。市長,今こそ日本国憲法の9条1項にとどまらず,2項を守る立場を表明すべきです。いかがですか。 次に,増税と負担増について伺います。政府は,大企業や大資産家には減税の大盤振る舞いをしながら,国民には負担増で際限ない痛みを押し付けています。今後,更に消費税を16パーセントへと引き上げることを経済同友会が求めており,政府はそれにこたえようとしていますがとんでもない話です。昨年は増税が強行され,このままでは暮らしていけないと悲鳴が上がりました。今年も引き続き6月に定率減税が全廃され住民税増税が強行されようとしています。例えば年収600万円のサラリーマン4人家族の場合,5月までの住民税額1万1,000円が6月から2万500円へと約2倍に増加,年間の増加額は10万8,000円ととんでもない値上げです。65歳以上の方の非課税となる措置も減額されますから,高齢者の方は更に大きく負担が増えます。税源移譲によって住民税が増えた分,所得税が下がり相殺されるといいますが,定率減税が廃止された分はそのまま28億円の市民負担増となるのです。絶対に許すわけにはいきません。政府は,最近の経済状況を踏まえ廃止するとしていますが,国税庁の現金給与実態調査においてもサラリーマンの平均給与は,1998年以来8年連続して減少しています。消費支出も前年比で実質3.5パーセント減少しています。そんな状況の中でこの大増税が実施されたら,暮らしも営業も景気も更に悪くなってしまうことは火を見るよりも明らかです。市長,今こそ市民の厳しい生活の実態を直視し,増税による負担を軽減する減免制度を独自に拡充すべきではありませんか,いかがですか。あわせて6月からの住民税増税を中止するよう国に求めるべきです。お答えください。 次に,国民健康保険の問題について伺います。国民健康保険料を滞納している世帯が全国で485万5,000世帯と過去最多となり,本市においても5万2,000世帯に達しています。高すぎる国保料が低所得者の生活を圧迫し滞納者を増加させています。国保加入世帯の約5世帯に1世帯が保険料を払いたくても払えない,市長は,この異常事態をどう受け止めておられるのでしょうか。本市においては,2年前,賦課方式が変更され低所得者の負担が一気に上がりました。総所得100万円の2人世帯の場合,所得に占める保険料の割合は,2004年度7.6パーセントだったものが今年は14パーセントへと倍近くにまで上がります。ある家内加工業者の夫婦2人世帯の方は,所得350万円のうち所得税が22万5,000円,府市民税が26万円,さらに国保料と介護保険料が48万4,000円,国民年金保険料が16万9,000円,合計で約114万円が税と保険料となりました。つまり所得の3分の1が税と保険料で消えてなくなる,とんでもない負担となっています。 副市長は,先の2月定例市議会で大変な御負担をいただいているという基本的な認識は持っていると答弁されました。現行の保険料が市民の負担の限界を超えていることは明らかです。今年は,この6月に保険料値上げの減額措置の廃止で4万世帯,公的年金控除縮小で1万7,000世帯,合計5万7,000世帯もの保険料が値上げとなります。さらには,その両方の影響が及ぶ世帯が1万5,000世帯もおられるなどその負担増は大変なものです。一刻の猶予もありません。低所得者や高齢者に多大な負担を求めている実態を踏まえ,高すぎる国保料を今こそ引き下げるべきです。いかがですか。国民健康保険は,国や自治体の手厚い援助があって初めて成り立つ医療保険です。本市でも所得200万円未満が8割以上と低所得者が加入者の大半であり,制度の維持には独自の財源確保策が必要です。現状では,京都市独自の国保会計への繰入れは,過去最高である2001年度の約79億8,500万円を9億円も下回っています。独自の繰入額を大幅に増やし,せめて過去最高水準まで早急に戻すことを求めます。自民党政府は,1984年の法改悪を皮切りに国の責任を次々と後退させてきました。1984年に49.8パーセント,5割近くあった市町村国保への国庫支出金が2004年度には34.5パーセントに減らされました。これこそ高い保険料の元凶です。国に対して国庫負担削減をやめ1984年の水準に戻すよう求めるべきです。 次に,国民健康保険証の取上げ,資格証明書の発行問題について伺います。病院の窓口で医療費を全額負担しなくてはならない資格証明書の発行が大きな社会問題となりました。全日本民主医療機関連合会の調査で,2年間で正規の保険証を取り上げられ受診抑制により29名もの方が命を落としていることが判明しました。格差と貧困の広がりの中,命まで奪われる重大事態にマスコミも警鐘を鳴らしています。本市でも資格証明書発行によって重症化する悲惨な事態が発生しています。ある50代の方は1年間にわたって腹痛があるにもかかわらず病院に掛かっておられませんでした。見かねた友人が事情を聞くと,国保料が払えず資格証明書を交付されていたことが分かりました。その後,相談のうえ,生活保護を申請し受診,大腸がんだと分かり即手術となりました。その後,肝臓にも転移が判明し長期にわたる治療を余儀なくされたのです。さらに,別の方は5年前勤めていた会社が倒産,経営者の借金の保証人になり,商売を始めたものの多重債務に陥り保険料を払うことができなくなりました。保険加入者ではあるものの保険証はなく,病気になって耐え切れず相談に来られました。行政の窓口へは保険料を払えと言われるのでとても行けないと話され,我慢されていたのです。受診すると肺炎になっておられました。もっと早くに受診することができていれば,このような事態は避けることができました。 資格証明証の方の受診率は,正規の保険証をお持ちの方と比べると142分の1と本市でも極めて低くなっています。市立病院での資格証明書の方の受診は,昨年度,一昨年度共にゼロとなっています。病院窓口での医療費全額負担が市民の受診を抑制しているのは明らかです。本市では,資格証明書は約3,000世帯,短期証は1万6,000世帯に発行と10年間で大きく増加してきました。今年は,送付手続の変更から資格証明書の発行数が減っていますが,返戻分の中に資格証明書も含まれており事態は改善されておりません。京都府内でもほとんどの自治体が発行を控えています。資格証明書を発行していない京田辺市の担当者は,資格証明書を発行すると医者に行けなくなりますから,結局,納付の放棄につながり収納率が上がりませんと述べています。命にかかわる保険証の発行を滞納対策とリンクさせるべきではありません。資格証明証の発行をやめるよう求めます。いかがですか。 さらに,全国の自治体では国の定める基準以外にも発行対象外の範囲を独自に広げている所があります。長野県松本市では,母子世帯や乳幼児のいる世帯は資格証明書の発行対象から外していますし,旭川市では,保険料を納付することにより生計を維持することが困難な場合は適用を除外しています。子育て世帯や生活困窮者から容赦なく保険証が取り上げられている実態に,安倍首相は国会で,そんなことはしないように指導しなければならないと答弁しました。本市においては委員会で,子供のいるような世帯については,資格証明書の発行は対象にはないと思っていると答弁がありました。実際に子供のいる世帯,病人,生活困窮者に資格証明証を1枚も発行しないと言えますか。お答えください。 次に,若い世代の支援策について伺います。若者と女性の2人に1人が非正規雇用となり,ワーキングプアと呼ばれる150万円以下の低所得者が大幅に増加しています。最近では,懸命に働いてもアパート代さえ払えずインターネットカフェで寝泊まりするネットカフェ難民と呼ばれる青年まで生まれています。私は,ネットカフェへ行き,そこで働く青年に話を聞きました。昼間は,サラリーマンや学生の方がパソコンを使いに来るけれど,平日の夜は,大きなかばんを持った常連の方が中心になり,客層が昼と夜とで全く異なるといいます。一晩1,000円ほどで過ごせる畳一畳ほどのスペースに身を寄せざるを得ない。何ということでしょうか。次代を担う青年たちがまじめに頑張っても人間らしく生きる権利を保障されず貧困に苦しむ,社会の存続にかかわる深刻な事態です。生活できない水準の最低賃金を引き上げる必要があります。国の責任で中小企業への支援と併せて全国一律の時給1,000円以上の最低賃金制度を確立するよう要望すべきです。 昨年8月に発表された厚生労働省の労働経済白書は,低所得の非正規雇用者は,結婚する比率が低く少子化の原因となっていることから正規雇用への移行を促進していくことが重要だと書きました。政府も少子化の背景に雇用の不安定化があることを認め,その是正を打ち出さざるを得なくなっています。本市としても,青年を取り巻く深刻な雇用の実態をつかむこと,企業に対し働くルールの啓発を行い正規雇用を拡大するよう要請することを求めますがいかがですか。 政府は,労働者派遣法の対象業務や限度期間の拡大など繰り返し雇用破壊を進めてきました。今は,更にその基準すら守られず,労基法以下の労働条件にあります。違法な解雇や賃下げ,社会保険,雇用保険の未加入,有休を取らせない,残業代未払い等々違法状態のオンパレードです。しかし青年自身が労働法を学ぶ機会をほとんど保障されていないことから,違法状態を認識することができないでいます。本市としても違法,脱法雇用の根絶を図ることが必要です。就業を希望する若者すべてに労働者の権利啓発のためのハンドブックを配布すること,高校や大学等に出向いて労働者の権利を周知する出前講座を開くこと,大学コンソーシアム京都との連携など本市がもっと積極的に労働者の権利を知らせるべきです。いかがですか。現在,本市で実施している京都若者サポートステーション事業,総合相談活動で労働法を学ぶ機会を提供すること,青年労働者の相談窓口を設置することはすぐにでもできることではありませんか。答弁を求めます。 今,子育て世代も大変な状況にあります。本市が2005年7月に行った京都男女共同参画推進プランの中間見直しに当たっての調査でも,仕事に就くうえでお困りのことは何かという問いに,女性の4人に1人が子供の面倒を見てくれる場や人がないことと答えています。そして京都市への要望は,男女共に子育てや介護を社会的に支援する施設サービスを充実することが第1位となっています。働きながら子育てできる環境整備を早急に進めなければなりません。 そこで学童保育と児童館整備について伺います。2006年に解消したとされた待機児童が新たに発生しています。すべての希望者が学童保育に入れるように整備を進めるべきです。2009年度に130館整備が目標ですが,現在までに示されている整備計画では2008年に116館の整備完了と14館の整備が残されています。新たに発生した待機児の解消はもちろん,130館目標を2009年度に必ず達成することを求めます。また,これまでから学童保育本来の役割を発揮させるためには,多くても40人までを適正規模にすべきと求めてきました。この度,新たに国が示した適正規模71人以下という水準でも,本市の場合120館の児童館のうち22館,2割近くの児童館の分割が必要ということになります。しんどくても休む所がない,子供同士が名前を知らないという適切な遊び及び生活の場が保障されていない現状を一刻も早く改善すべきです。早期にすし詰め過密状況の解消を図ること,正規職員の加配と労働条件の改善を行うことを求めます。いかがですか。 子育て中の女性を対象とした調査では,保育,教育費への補助,医療費補助,児童手当などの経済的支援の要求が7割と多くを占めています。子供の医療費助成制度がこの9月から拡充されます。制度が前進したことは大きな成果ですが,第1に国に対し子供の医療費無料制度の創設を強く求めること,第2に子供の医療費を入院,通院とも小学校卒業まで窓口無料にすることを求めます。 次に,在宅酸素療法の患者負担軽減についてお聞きします。京都府が2007年度から障害者自立支援医療として新たな補助制度を創設しました。これまでから在宅酸素療法の方をはじめ生命維持にかかわる医療を保障するため福祉医療制度の対象を障害者手帳3級まで拡大してほしいという要望が繰り返し出されていました。今回京都府が示した制度はその願いに一部こたえるものであり,本市でも対象となるようにすべきです。いかがですか。 次に,左京区一乗寺の地元問題についてお聞きします。3年前の8月,激しい雨が京都を襲いました。至る所で浸水が発生し,左京区一乗寺学区でも被害が広がりました。地元の方のお話によると,第二太田川は,3年に1回ぐらい増水し水があふれるとのことで被害は1度にとどまりません。地域の皆さんは,これまでから浸水対策を要望されてきましたが,根本的な改善が図られておりません。現在も梅雨の時期や集中豪雨のシーズンが来ると夜も寝られないほど心配,川の水位が残り30センチになったら消防局と土木事務所に電話をする,橋から水が流れ込まないようにまとまった雨が降るとバケツリレーを家族でやって浸水を予防するなどの声が引き続き出されています。この度,一乗寺公園からの流出を抑制する貯留施設を設置されました。しかし,昨年11月に上下水道局が作成された資料でも全域9箇所ある浸水区域に対して直接的な効果があるのは1箇所と,ごく一部の対策にとどまっています。住民の皆さんの不安の声にこたえ,一刻も早く浸水地域全体を視野に入れた対策を講じることを求めます。 以上で私の第一質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 加藤あい議員の御質問にお答え致します。 憲法第9条の改正についてのお尋ねでございます。これまで度々申し上げておりますとおり,私は,日本国憲法における平和の理念は,日本国民のみならず人類共通の願いであり,今日の我が国の平和と繁栄はこの憲法を遵守してきたことによってもたらされてきたものであると考えております。現行憲法が施行されてから60年を経,去る5月14日には日本国憲法の改正手続に関する法律,いわゆる国民投票法が成立致しました。憲法改正を巡っては,今後第9条の在り方を含め衆参両院に設置される憲法審査会や,さらには国民全体で議論が深められるべきものと考えておりますが,私は,憲法における平和の理念は変わらざる人類普遍の理念であると考えております。今後ともこの理念をしっかりと守り市民の皆様と共に本市が理想とする世界文化自由都市の実現を目指して参りたい考えでございます。 以下,上原副市長,子育て支援政策監及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からは国民健康保険料についてお答え致します。平成19年度予算におきましては,大変厳しい財政状況の下で,一般会計繰入金の最大限の確保に努め前年度と同額の過去最高額となる154億円を繰り入れることにより収支の均衡を図り,医療分の1人当たり保険料を前年度と同じ水準に抑えたところであります。本市では,保険料を政令指定都市の中でも低く抑えており,また依然として95億円もの巨額の累積赤字を抱えている現状にかんがみ,保険料の引下げを実施できる状況にはございません。さらに,国からの補助金等につきましては,三位一体の改革により国から府へ財源移譲された補助金等を含め,国,府からの補助金等の総額での確保に最大限努めているところでありますが,引き続き国に対して国民健康保険財政の安定化が図られるよう要望して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 田村子育て支援政策監。 〔田村子育て支援政策監登壇〕 ◎子育て支援政策監(田村裕二) 児童館の整備についてでございます。次代の京都を担う子供たちの健全な育成を図っていくことは,本市の最重要施策の一つであります。平成19年度におきましては,学童保育機能を有する一元化児童館について,これまでで最も多い11箇所の整備予算を確保しており,今後とも新京・子どもいきいきプランに掲げた130館の目標達成に向けて着実に進めて参ります。また,待機児童対策や児童の処遇環境の充実につきましては,一元化児童館の新設整備に加え,分室の設置や学童保育のスペース拡張などを行うとともに必要な職員の配置に努めているところであります。 ○議長(内海貴夫) 花嶋理財局長。 〔花嶋理財局長登壇〕 ◎理財局長(花嶋詳宜) 定率減税の廃止についてでございます。平成11年に特別な景気対策として講じられました定率減税につきましては,国において経済状況が導入当時に比べ改善しているとの理由で2箇年を掛けて廃止されました。これは本来の税率に戻すものであり,将来世代に負担を先送りしないための措置であると認識しております。本市では,厳しい財政状況におきましても様々な本市独自の軽減措置を講じておりますが,今回の税制改正の趣旨から新たな措置を講じることは困難であります。定率減税の廃止につきましては,今後とも6月からの税源移譲の円滑な実施に向けての様々なPRキャンペーンや,税の窓口などにおいて市民の皆様に丁寧に説明を行い正しく御理解いただけるよう全力を傾注して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 山岸文化市民局長。 〔山岸文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(山岸吉和) 青年の雇用対策についてお答え致します。若年者の労働実態等の調査や企業に対する指導監督,雇用の拡大等に向けた取組,労働相談等につきましては,雇用労働行政を所管する国及び京都府において取り組まれており,本市と致しましては,それぞれの役割を踏まえ相互の連携協力を図りながら若年者の就業支援を行っているところです。議員御指摘の労働関係法の普及につきましては,本市のホームページや情報紙により制度や必要な情報を適宜提供しているほか,京都勤労者学園において労働法講座を設けております。また,中京青少年活動センターで行っているサポートステーション事業及び総合相談事業におきまして,適職診断,セミナー,各種相談などの事業拡充を図り,若年者の状況に応じた適切な窓口へ引き継ぐなどの取組を進めております。今年度からは関係行政機関で構成するネットワークに新たに経営団体等にも参画を呼び掛け情報交換等を行うことと致しており,こうした取組を通じて若年者の就業支援を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 西村保健福祉局長。 〔西村保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(西村京三) 国民健康保険の資格証明書の発行についてお答え致します。保険料は,国保の事業運営のための基幹的な財源であり,すべての被保険者に公平に負担していただくことが制度存立の前提でございます。本市では,国民健康保険料の滞納者に対しまして区役所,支所への来所を求め,できる限りの接触を図り制度の趣旨を御説明し,個々の世帯の状況等を十分にお聴きする中で減免制度の活用を含めたきめ細かな納付相談等を行っております。しかしながら,前年の所得に基づき決定している保険料について,納付意思を全く示すことなく特別な理由もなしに長期にわたり保険料を滞納している方に対して,法令に基づいた資格証明書を交付することはやむを得ないことと考えております。 次に,子ども医療費支給制度についてでございます。少子化問題への対応は喫緊の課題であり,子育て家庭の医療費負担の軽減を図るため,府市協調の下,本年9月から入院における対象年齢を小学校6年生まで引き上げるなど指定都市の中でもトップクラスの内容となる条例改正案を本市会で御提案しております。入院,通院共に小学校卒業まで窓口負担なしにすることは多大な経費が必要となるため,本市の厳しい財政状況では困難であります。本市では,これまでから国に対し子育て家庭における子供の医療費負担の軽減措置を要望しており,この度,平成20年度から幼児の医療費の一部負担金が軽減されることとなりました。今後とも国におきまして更なる軽減が図られるよう要望して参ります。 在宅酸素患者の医療費の負担軽減についてでございます。昨年4月の障害者自立支援法の施行に当たりましては,障害のある方が必要とする医療を受けていただけるよう,自立支援医療につきまして本市独自に大幅な利用者負担の軽減措置を講じたところでございます。今般京都府が実施する在宅酸素療法を受ける方などを対象とした医療費の助成制度につきましては,自立支援医療の対象医療の範囲を事実上拡大させるものであり,他の障害のある方との均衡上の問題もあることから直ちに実施することは困難であります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 山崎建設局長。 〔山崎建設局長登壇〕 ◎建設局長(山崎糸治) 一条寺地区などにおける浸水対策についてお答え致します。本市におきましては,市民が安全で安心して暮らせる災害に強いまちづくりを目指し,治水計画に基づき河川改修などの整備を進めており,その結果,浸水被害の軽減に一定の効果を上げてきております。しかし近年,全国的にも集中豪雨の発生頻度が高まっており,本市においても一乗寺地区などで浸水被害が起きております。そうした対策の一環として,一乗寺地区においては上下水道局と連携し公園を利用した貯留施設の整備を進めて参りました。今後も河川及び下水道事業が連携を図り浸水被害の軽減に取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 憲法の問題について政治家としての市長に認識を伺いましたが,9条2項について踏み込んだ答弁がありませんでした。憲法9条の2項が政治の最大焦点であり,平和理念を守ると言うなら2項についても明言すべきです。 国民健康保険の資格証明書の発行については,京都市が資格証明書の発行で市民がどれだけ受診を控えているのか,どんな影響があるのか実態をつかんでおられないことが改めて明らかになりました。市民への影響もつかまないまま,公平性の観点からやむを得ないと切り捨てる,これでどうして住民の命と暮らしを守ることができるでしょう。市民の皆さんと共に命守る政治を実現するために引き続き全力を尽くす決意を述べて質問と致します。ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 次に,市政一般について,西村善美議員に発言を許します。西村議員。 〔西村善美議員登壇(拍手)〕 ◆(西村善美議員) 右京区より選出されました西村善美です。日本共産党市会議員団を代表して市長に対して質問します。私は,日本共産党右京区生活相談所長として市民の皆さんの困りごとや暮らしのこと,地域の要求などお聴きし問題解決に取り組んで参りました。昨年は市民税が高くなった,国保料や介護保険料が増えて生活が苦しくなった,どうにかしてほしいとの御相談が増えました。私は,このような市民の皆さんの御意見をしっかりと受け止め,今までの経験を生かして,暮らし,福祉の向上やまちづくりに力を尽くす決意であります。 まず介護保険について質問致します。私は,83歳の女性から主人の介護が大変で助けてほしい。また,介護保険料が高いので安くしてほしいとの相談を受けました。81歳の夫は,介護認定は要介護3でした。自力で立ち上がれず,寝返りも自分ではできない状態でした。介助されて立っても,今にも崩れ落ちるような体です。自宅で介護を支えるのは83歳の奥さんお1人だけです。デイサービスやショートステイなど在宅サービスを利用し,病院からは,訓練すればもっと歩行もしっかりするから,家庭でも歩行に心掛けてくださいと指導を受けていました。訓練を重ねているがなかなか歩行の改善は見えません。奥さんにとっては,食事介助から排せつ処理,家事など1日の介護は大変な重労働です。食事の支度も苦痛になり,御主人が介護施設に行っているときが唯一息抜きできる時間です。奥さんは,やがて介護で疲れてしまい体重が元気なころから15キロ減り,精神的にも追い詰められていきました。そして今年2月初め,残念なことですが御主人が,突然容体が急変して病院に搬送された翌日にお亡くなりになりました。早く施設に入りたい。そうすれば妻にも重い負担を掛けないで済むとの願いはかなうことなく,2人だけのいわゆる老老介護に悪戦苦闘しての結末でした。 この事例のように,特別養護老人ホームなど施設介護を希望している方々は年々増えていますが,基盤整備が遅れています。特養老人ホーム入所待機者の実数と実態を把握し,待機者解消と高齢者と家族の多様な実態に応じたサービス基盤の拡充を行うべきです。また,小規模多機能型居宅介護施設をはじめ地域密着型サービスを計画的に整備拡充し財政支援を強めるなど介護保障を進めるべきべきです。お答えください。 高い利用料で必要な介護が受けられない人が多くおられるのが実態です。負担能力のない方にとっては,介護の利用を抑制することにつながります。介護制度を利用したいと相談される方は,まず利用料が幾ら掛かるのか御心配され,高い利用料にもう少し我慢しようかと言われます。昨年4月から京都市の介護保険基準額は23パーセント値上げされ,第3期の額は第1期の1.6倍に増えました。しかも住民税や老齢者非課税措置の廃止などの影響で,収入が増えないにもかかわらず保険料が上がりました。中には保険料が2倍になった人もいます。昨年京都市では,余りにも高くなった介護保険料に異議ありと約500人の市民が審査請求を京都府に提出されました。先ほど紹介した事例もそうですが,介護保険料が大幅に上がって生活が不安になった。将来,介護がしっかりと受けられるのか疑問だなどの意見が出されています。国は,介護保険制度発足時2分の1あった国庫負担率を4分の1に減らしました。京都市は,国に対して介護保険施策に対する国庫負担を抜本的に引き上げるよう働き掛けるべきです。また介護保険料減免制度の拡充,利用料減免の創設など市民負担を軽減すべきです。いかがですかお答えください。 次に福祉用具の問題です。要介護1以下の軽度の高齢者は,昨年4月から原則として介護ベッド,車いすなど福祉用具の貸与が受けられなくなりました。従来から利用している方も昨年9月末までの利用となりました。制度の変更で京都市では,軽度認定をされたおよそ3,200人の人たちへの福祉用具の貸与がなくなりました。明らかに制度改悪による取上げの結果です。ある施設のケアマネージャーにお聴きしました。昨年の制度変更のとき施設担当者は,福祉用具が貸与外となる利用者に,制度が変わるのでベッドが利用できなくなります,ベッドはどうされますかと聞く。もちろんほとんどの方がベッドがなくなると大変困るので,自費で5万円から10万円程度のベッドを購入された。中にはベッドの購入代金が高いので,やむなくホームセンターに行って1万円程度の機能的に不十分で安い簡易ベッドを購入された人もいたというのです。また,生活保護世帯で要介護1の方の場合,ベッドの貸与が保護の対象ではありません。ある事例で,レンタル業者と本人の話合いで何とか月3,000円の自己負担でレンタルすることになったが,しかし後日,この月3,000円の費用も払えないと本人より申出があったというのです。所得の低い人には大きな負担を強いる結果となりました。 昨年の制度変更の趣旨は,高齢者の自立を促進する目的で要支援の人に予防給付をするというものでした。しかし実際は,貸与されていた福祉用具を取り上げられて自費で買わされた,出費が増えたというのが実態です。家庭に負担を一層押し付けています。介護保険制度導入時に言われていたのは,介護の社会化で介護をみんなで支えて家庭での負担を軽くするという趣旨でした。しかし,今起きている事態は,一層介護を家庭に押し付けることになっています。滋賀県では,レンタル料の半分を県独自に助成し住民支援をしています。助成制度を創設するなど介護ベッド,車いすを必要な方々に取り戻すべきです。いかがですかお答えください。 次に,右京区京北の問題についてお聞きします。旧京北町が京都市に合併し2年が経過しました。合併後初めてとなる先の市会議員選挙で,多くの団体や住民の皆さんから合併後の対策について御要望を聞きました。合併後は,京北自治振興会が中心となって地域の要望など取り上げ,まちの課題を行政に反映させていく仕組みです。しかし旧町時代に住民の暮らしや仕事を支えてきた様々な施策が後退してきているので,京都市はしっかりと取り組んでほしいとの意見が上がっています。 出された問題について何点か質問致します。まず市立京北病院の問題です。京北病院は,医師,看護師不足が続いており,地域医療を支える拠点病院としての役割を果たせるのか岐路に立つ深刻な事態が続いています。京北病院常勤医師は,2005年には6名いましたがその後3名まで減りました。現在は更に減って整形外科の常勤医師はゼロ,内科の常勤医師もゼロのため,2名の外科の常勤医師が内科外来の診療に回って診ているというのです。そのほかはすべて非常勤嘱託医師になりました。市立京北病院は救急指定病院です。事故などで入院治療が必要な場合は,整形外科の常勤医師が必要です。しかし常勤の整形外科医がいないため入院受入れができない事態が起こっています。また,内科の常勤医師がいないことで入院患者の急変に対応できず,やむを得ず他の病院に搬送したという事例まで起こっています。 2月市会で市長は,我が党議員の質問に対して,京北病院の医師不足が常態化するなどこれ以上悪化してはならない。増員が不可欠であらゆる手立てを尽くしたいと答弁されましたが,一層後退しているのではありませんか。私は,京北にお住まいの皆さんからお話をお聞きしました。常勤の医師が少なくなって不安を感じるという意見です。医師の減少で自分の命と健康について預けられる状況ではないと言われました。このような不満から,車で行ける人は1時間掛けて第二日赤病院,市立病院や南丹病院などに行っているというのです。外来と入院患者数は,平成16年から平成17年の1年間だけで延べ約1万人減少しています。病院が衰退して過疎化を感じたという人もいました。ただ自分らの病院だから近くにあるこの病院に診てもらいたい。いい病院にしてほしいと語っています。京北の皆さんにとっては,京北病院を守ることは,これまで自分たちが守り育ててきたふるさとを守ることであるとの強い思いです。こういう患者さんや住民の皆さんの声を反映して,最大限医師確保をすべきではありませんか。改善はいつまでに行うのですか答弁を求めます。 また,看護師の当直勤務が労基法違反の実態にあり,今年3月に園部労働基準監督署から改善指導が行われました。月4回以内の宿直勤務であるべきところ月6回以上になって,その改善を求めるものでした。4月に市立病院から看護師が2名派遣されましたが法違反の実態は解消されましたか,見通しはどうですか,改善の決意を求めます。 次に,栗尾峠など山林の大規模伐採について質問致します。京北で山林大規模伐採がされて問題となり,京都市は,平成17年,栗尾峠地区,栃本地区,塩田地区で樹木の伐採跡地の亀裂,地質,植生などの調査を基に京都市としての対応方針を出されました。その内容は,早期の再植林指導,定期的巡視を行うというものでした。それから2年が経過しましたが,その後の京都市の対策の実効性が問われています。業者によって大規模に伐採された後,跡地は一部植林されましたが,いまだに植林されていない箇所が残され,年月がたつにつれて土砂の崩落も発生しています。京都市として,引き続き業者に対して強い植林指導を行い治山対策をしっかりと行うべきです。この写真は,栗尾峠の国道162号線沿いガードレール直下の土砂崩落箇所のものです。特に問題なのは,ガードレールを支える鉄柱はコンクリートで固定されていますが,そのコンクリートの下の土砂が崩落しています。この箇所は,急カーブの地点で大変危ない難所です。このまま放置すれば更に崩落が大きくなり,国道への影響も予測されます。したがってこの国道沿いの土砂崩落箇所は,すぐにでも改修して安全確保すべきです。いかがですかお答えください。 次に,雪や台風などの山林の倒木被害について質問します。京北の山に入ると,雪や強風などで倒れたままの木が数年間放置されている所が各地に残されています。地元の方の説明では,数年前に倒れた樹木は,伐採,搬出,加工に大きな費用が掛かるのでそのまま放置しているというのです。京北で長らく林業をしてきた方は,一抱えもある70年育てた桧が倒れたときは本当にがっかりする。昔は森林組合がすぐに来て写真を撮り,被害の状況を調べて再植林のための対策をしてきた。しかし今は,植林しても採算が取れないのでほったからしや。みんなそうしている。特に京北の山は,年々荒れてきているとのことでした。植林も進まず,山が荒れた状態で残されていては,基幹産業である林業を守り育てていくことになりません。また,治山対策という観点からも大きな問題が生じます。 林業の活性化や森林整備の促進は,農山村にとって待ったなしです。今,皆さんの願いは,零細林業農家に任せておくのではなく,基幹産業育成の観点から大きな対策をしてほしいという願いです。行政的補助は,倒木の処理,植林に対して一定程度ありますが,林業家個人の負担がまだ大きいのです。今のまま,たとえ補助を受けて再植林して育てても,採算が合わず赤字経営となるので植林を控えているということです。林業家の皆さんが木を育てることができなくなり,山仕事を職業とする人も減っています。森林組合も仕事が減ってきています。仕事起こしの点でも対策を採る必要があります。京都市は,林業振興対策を今後どうしようとしているのですか。また,倒木被害対策として伐木処理や植林をする場合,林業を営む皆さんの負担を軽くするため補助を一層拡充すべきです。いかがですかお答えください。 さらに,市内産木材の需要拡大のため,木材活用の活性化に取り組む必要があります。長野県では,県産材50パーセント以上使用すれば融資金利が当初5年間は無利息,その後の利息は2パーセントにする県産木材融資制度をしています。鳥取県日南町は,町産材の住宅や納屋,作業場を建築すれば40万円まで補助する制度を今年4月からスタートさせました。京都市は,昨年から住宅のリフォームに対して25万円相当の市内産木材の柱,板,床材などの提供を始めていますが,利用はわずか19件にとどまっています。更に拡充するため,現物提供形式と共に市内産木材を活用した住宅改修助成制度の創設や公共施設への積極活用を進めていくべきです。お答えください。 次に,市バス問題について質問します。京都市は,地下鉄東西線二条天神川間の延伸開業について,当初予定していた来年3月開業を2箇月前倒して1月に開業させ,新駅名を西大路御池駅と太秦天神川駅とする方針を明らかにしました。右京区の新駅建設地には,区役所総合庁舎の建設も進み新しい都市基盤として市民的期待も大きいものがあります。右京区の太秦天神川駅開業に伴って重要なのが新駅を中心とした市バスや京福電車とのアクセスによって市民の利便性や観光地の交通対策を一層向上させることです。ところが現在の市バス路線では,御池通東方向は地下鉄新駅に直結する路線がありません。また,北の高雄,宇多野,御室方面及び南の葛野,西京極方面から地下鉄新駅,総合庁舎へ直結する市バスがありません。住民の皆さんは,今のままのバス路線では区役所に行くのも一苦労するという御意見です。 右京区の市バスは,一条通,三条通,四条通など東西路線に偏重しており,南北方向への移動は数本のバスを乗り換えるか遠回りしなければならない不便な状態です。住民団体,右京区民の足を守る会などが公共交通について調査研究など積極的な取組を行い,右京区での市バス新路線の提案などを市民の立場で行っています。この団体の提言や我が党が実施した住民アンケートに寄せられた要望は,天神川通を南北に走り,右京区文化ホール,JR花園駅,地下鉄新駅,市立体育館,阪急駅などを結ぶ市バス路線を是非実現してほしい,また,右京区の公共施設を結ぶ小型循環市バスを走らせてほしいとの御意見です。右京区では,京都市基本構想を基に,右京来夢らいと計画21を発表しています。市民参加で作られた同計画は,地下鉄東西線を起点とした天神川通の市バスの再整備としてコミュニティバスの運行を掲げています。新駅は,いよいよ来年1月開業です。市バス南北路線や小型循環バスの運行など市民の要望にこたえるべきです。いかがですかお答えください。 最後に,京福電鉄は,地下鉄太秦天神川駅に結ぶ新駅を三条通に設置を計画し,その建設は京都市が行う予定です。利用者にとって利便性は高まりますが,交通量が多い三条通に乗降駅を設置の場合,利用客が危険にさらされるため安全対策が求められます。住民の皆さんは,安全確保がなおざりにされないかと心配しています。事故が発生してからでは遅すぎます。京都市の責任で信号機の設置などを公安委員会に働き掛けるなどして積極的に安全対策を講じるべきです。どのように取り組まれるのかお答えください。 以上,市長の積極的答弁を求めて質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 西村善美議員の御質問にお答え致します。 右京区における市バス路線の再編についてのお尋ねでございます。地下鉄東西線の太秦天神川駅への延伸開通によりまして,市民の皆様の生活交通の利便性が高まり,また観光地へのアクセスが飛躍的に向上致します。これに伴い地元の皆様からバス路線に関する要望を多くいただいており,現在交通局において市バス路線再編検討委員会を設置しバス路線の再編を検討しているところであり,再編の実施時期につきましては平成20年1月の地下鉄開通時に一体的に行うこととしております。また,再編に当たりましては,右京区の新たな拠点となります地下鉄太秦天神川駅への結節や右京区総合庁舎等の公共施設へ便利に行けるよう右京区の南北を結ぶバス路線の整備を図るなど,今後ともお客様の動向を踏まえつつ区民の皆さんに喜んでいただける市バスとなるよう取り組んで参ります。 以下,星川副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕 ◎副市長(星川茂一) 私からは市内産木材の活用についてお答え致します。市内産木材の需要拡大は,京北,北山をはじめとする市内各地域の林業振興,地域活性化に大変重要な課題であると認識致しております。このため京都市では,市内産木材の需要拡大策と致しまして平成17年度から京の山杣人工房事業を実施致しておりまして,各行政区に木材普及拠点としてモデル工房の設置を推進して参りました。あわせて,昨年度からは議員御指摘の住宅リフォームに対する市内産木材の供給事業も始めておりまして,昨年度は初年度,年度途中ということもあり利用は19件にとどまっておりますが,今後の利用拡大が期待されているところでございます。こうした取組を受けまして,本年4月には建築家や工務店等も参画して,京山々・木の家づくりの会が設立されるなど関係者,市民の間で市内産木材の普及活用の機運が高まりつつあるところでございます。また,公共施設につきましても,本年4月に開校致しました下京中学校など市立学校施設を中心に市内産木材の積極的な活用に取り組んでいるところでございます。今後ともこれらの取組を核に市内産木材の需要拡大に努め,地域林業や木材関連業界の活性化につなげて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 森井産業観光局長。 〔森井産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(森井保光) 栗尾峠などの山林における治山対策についてお答え致します。本件は,旧京北町との合併前に森林所有者が林業行為として大規模な森林伐採を行ったもので,京都市と致しましては,旧京北町が実施した地質調査結果を基本に対応方針を検討し,森林所有者に対して必要な再植林を指導するとともに,関係機関と連携して現場監視に当たって参りました。当該地区の森林再生は,杉,桧の再植林によって地盤支持力を維持する区域と広葉樹等の自生樹木の支持力を活用する区域に区分して行われており,再植林区域については,本年3月に予定の植林が完了致しました。今後とも引き続き定期的な現場監視を継続するとともに,必要に応じて土砂流出防止対策を講じて参ります。 次に,森林整備に対する補助の拡充についてでございます。林業不振が続く中,平成16年度には台風23号や降雪による倒木被害により市内林業は大きな痛手を被りました。特に降雪による倒木被害は甚大で,京都市と致しましても災害対策として平成18年度からの3箇年計画で林業者による再植林を支援しているところであります。また,この再植林につきましては,国,府,市を合わせて通常の植林に対する補助率より7.6パーセント高い82.6パーセントの助成を行っております。今後とも計画的に森林の再生が進むよう関係機関が協力して林業者を支援して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 西村保健福祉局長。 〔西村保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(西村京三) 介護保険施設の基盤整備についてお答え致します。施設入所希望者数につきましては,平成16年12月に入所希望の高齢者や家族の皆様等の現状や意識を把握するための調査を行い,その結果を踏まえて平成18年3月に策定した第3期京都市民長寿すこやかプランでニーズに即した介護保険施設の整備目標量を明確にし,現在,同プランの推進に積極的に取り組んでいるところであります。また,地域密着型サービスの基盤整備につきましても,国の交付金制度を活用する中で計画的な整備促進に取り組んでおり,今後とも京都市民長寿すこやかプランに掲げる整備目標の達成に努めて参ります。 次に,介護保険における保険料と利用料の軽減についてでございます。税制改正の影響により新たに住民税が課税された方に対する保険料,利用料につきましては,国の取扱いを踏まえ,本市では平成18年度から2年間の激変緩和措置を講じております。介護保険制度につきましては,高齢者の介護を社会全体で支えていくために創設された全国一律の社会保険制度であることから,保険料と利用料の軽減措置につきましても国の責任において適切な措置が講じられるべきものと考えております。このため本市では,これまでから他の大都市とも連携し,すべての高齢者が必要なサービスを受けられるよう国に要望しているところであり,今後とも要望を続けて参ります。 軽度者に対する福祉用具の貸与についてでございます。平成18年4月の制度改正において,より自立支援を図る観点から起き上がりや寝返りができる方等については,福祉用具の貸与の対象外とされたものでありますが,本市では他の大都市とも連携し利用対象者の検討,検証について国に要望してきたところであります。これらの要望を受け,国において本年4月から疾病等の原因により日や時間帯によって寝返りが困難になるなど状態が変動しやすく福祉用具が必要と医師が判断した場合等については貸与の対象とするよう判断方法の一部が見直されたところであり,必要な方につきましては引き続き御利用いただいております。今回の国の見直しにより滋賀県における助成制度は廃止されたと聞いており,本市におきましても独自の助成制度の創設は考えておりません。 市立京北病院の医師,看護師の確保についてでございます。市立京北病院においては,全国的な医師不足の影響により大学の紹介による常勤医師の確保が困難な状況となっております。このため平成18年4月より市立病院から内科の専攻医1名を派遣するとともに,本年5月から新たに研修医2名を派遣しております。また,看護師の一部に宿直や夜勤の負担が多い実態の解消に向け,本年4月より市立病院から看護師2名を派遣しており,6月から更に1名を追加派遣致します。今後とも京北地域にお住まいの皆様が安心して医療をお受けいただけるよう,市立病院との更なる連携を含めあらゆる手立てを講じ市立京北病院の医療看護体制の整備に努めて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 山崎建設局長。 〔山崎建設局長登壇〕 ◎建設局長(山崎糸治) 栗尾峠の土砂崩落箇所の改修についてお答え致します。一般国道162号は,市中心部と京北地域を結ぶ重要な幹線道路でありますが,栗尾峠は急カーブが続く難所であることからトンネルによるバイパス整備事業を進めているところであります。こうした中,昨年激しい降雨により路肩の一部が崩落しましたが,直ちに応急措置を施しパトロールを強化するなど安全に道路を通行できるよう維持管理に努めております。地質調査及び測量等の実施により2次崩落の危険性は少ないと判断しておりますが,より一層の安全確保のため間もなく改修工事に着手する予定であります。今後とも道路を安全に通行していただけるよう適切に管理して参ります。 次に,京福電鉄の新駅についてお答え致します。本市では,地下鉄東西線の延伸に伴い太秦天神川駅周辺整備事業を施行しており,その一つとして交通結節機能の向上を図るため,京福電鉄と協力し新駅の設置を進めております。この新駅は,三条通内に設置することから道路交通の安全性や利便性の確保はもとより,新駅の利用者,特に高齢者や障害のある方々にも安心して御利用いただけるよう既に京都府公安委員会と協議を進めてきております。その内容を踏まえ現在京福電鉄や地元関係者と調整しており,今後地元の皆様の御協力を得ながら工事を進め早期実現の御要望にこたえられるよう取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 暫時休憩致します。 〔午後2時18分休憩〕 〔午後2時46分再開〕 ○副議長(宮本徹) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宮本徹) 休憩前の一般質問を継続致します。市政一般について,隠塚功議員に発言を許します。隠塚議員。 〔隠塚功議員登壇(拍手)〕 ◆(隠塚功議員) 私は,左京区から2期目の選出をいただきました民主党の隠塚功でございます。民主・都みらい京都市会議員団を代表し市長及び理事者の皆様に市政一般につき質問致します。 ところで,4月8日に執行されました第16回統一地方選挙におきまして,私たち民主党は,京都市議会選挙には公認及び推薦候補者20名を擁立し,結果として13名が当選を果たすことができました。残念ながらベテラン議員を欠いてしまいましたが,新人候補者6名が当選を果たし,改選時の10名から3名増の13名の議員団としてスタートすることになりました。得票数においても今回は10万8,000票近くを賜り,得票率も23パーセントまで増える結果となりました。京都の政治状況が自共対決と言われていた時代から,民主党を6人の国会議員を輩出する政党にお育ていただき,そして今回の統一自治体選挙では,国政だけでなく地方政治においても,私たち民主党へ多く御期待いただいていることが分かる選挙結果であったと実感している一人であります。会派全員でその期待にこたえるべくしっかりと取り組むことをここで皆様にお約束致します。本日は,そうした気持ちで私たちが訴えたローカルマニフェストや,また選挙期間中に届けられた市民の声を中心に京都市政の向かうべき方向について質問致します。 ところで,今回の統一自治体選挙では,私ども民主党は,各候補者の公約やマニフェスト以外に,民主党京都府連のローカルマニフェスト,京都スタイルを掲げて選挙を戦いました。ここでは4年後の2011年に京都府全域が五つの夢に向かって取り組むことをお示しし,その夢を実現するための目標を七つのスタイルに分類,そして各々の目標実現のための施策を列記するという形式を採りました。目標は全部で28,施策は104となっています。具体的な内容をすべてここで取り上げるわけにはいきませんので割愛致しますが,民主党議員事務所若しくは民主党京都府連のホームページで御確認いただきたいと思っております。また,このような京都スタイルをお示ししたということは,本会議のみならず常任委員会等でも理事者の皆さんへこれらの取組に対する質問や要望を行い,目指す目標に一歩でも近付ける努力をしなくてはなりません。さらに,私たちには京都市における進ちょく状況を市民に説明する責務があります。そのため私たちの会派から京都スタイルに関する質問が行われることを御認識いただき,より民主的な社会,より生活者本位の社会,持続可能でより環境に配慮した社会,より包容力のある社会,より格差の小さい社会を実現するために御協力いただきたいと思っております。 本日は,その中で働きスタイルに記載しました地域シニア活用プランについて1点提案し御所見をお聞かせいただきたいと考えております。私たちは,シニア世代が多様な経験,知識を発揮し活躍できる場を作らなくてはならないと考えています。特に団塊の世代と言われる方々が退職を迎えた後,その方々の生きがいづくりの観点からも,また蓄積された経験を社会に広める観点からも活躍してもらえる場所づくりが必要と考えています。京都市でも,今年度は新しい生きがいづくり支援策の調査研究や,はつらつ高齢者まちづくり支援事業が予算化され,今まで社団法人京都市シルバー人材センターが進めてきた趣味を生かす観点からの仕事のあっせんから,サラリーマンとして活躍してこられた実績を生かす場づくりの一歩を踏み出そうとしています。残念ながら,こうした経験を生かせるための窓口は,現時点では財団法人京都SKYセンターの活動や京都商工会議所の企業等OB人材マッチング京都協議会の中に見受けられる程度にとどまっており,市民にも認知度が低い現状にあると言えます。そこで,この際ボランティアも再就職も一括して登録できる制度の立ち上げを進めていってはどうでしょうか。京都市はもちろんNPOやボランティア団体,そして事業者,場合によっては個人からも能力を生かす場を募集し,また,自分の活躍の場を求めている市民は,自分の得意分野を記した登録シートに記載して双方でマッチング先を探すのです。私は,自治体が窓口であれば地域での活躍の場も提示しやすくなるのではないかと考えます。高齢化社会が続いていくだけに,積極的にマッチングの場づくりを進めなくてはならないのではないでしょうか。御所見をお聞かせください。 次に,桝本市長をはじめ理事者の皆さんが50年後,100年後を見据えての政策として推進しておられる新景観政策や環境政策に関してお聞き致します。先の2月議会に提案された新景観政策に関しては,現時点での課題は認識しながらも,全会派一致して新景観政策を可決しました。しかし可決したから終わりではなく,50年後,100年後を見据えての政策であるからこそ決議に関して進ちょく状況の確認や,その後新たな課題が生じていないのかを随時チェックすることが必要であると考えております。決議から2箇月しか経過していないとはいえ,まだまだ市民に浸透し切っていない,また理解されていない面のある政策だけに私たち会派が特に課題意識を持っていた点に関して,ここで改めて対応について質問させていただきます。 まずは市民等への周知の徹底についてでございます。私たち会派では,この政策で中心的な議論になっていたのがいわゆる田の字地区内のマンション住人や建設,不動産関係の皆さんによるものであり,規制が厳しくなる風致地区内にお住まいの皆さんの間ではほとんど起こらなかったことにも不安を覚えておりました。いざ建て替えようとしたときに,戸建て建築であっても既存不適格物件となっている可能性があるにもかかわらず,多くの地域で自分のことと認識できていないのが実態です。また,市内一律の規制ではなく地域に応じて規制内容が違っていることも,十分には周知されにくい状況にあったと思います。それだけに風致地区規制が厳しくなる地域にお住まいの皆さんには,行政として十分な説明責任があると考えています。3月以降,出前講座やそのほかにも要望に応じて説明に出向いているとのことですが,求めに応じて説明するのではなく,特に左京区をはじめ北区や右京区など風致地区規制が厳しくなる地域については,出向いていって説明するという積極的な京都市の姿勢を示すことが必要ではないでしょうか。規制強化となる地域を対象に自治連や市政協力委員の皆さんの協力を得て説明会を開催し,地域住民の方に規制の変化を理解していただくよう努めていただきたいと思います。いかがでしょうか,市長の御所見をお聞かせください。 次にデザイン審査についてですが,十分な審査体制を整えるとともに審査基準の明確化を求めてきました。そのデザイン基準については,専門家等とも協議を始めていること,そして審査体制についても4月の人事異動により審査担当者を3倍に増員するだけでなく,7月1日付けで中途採用を実施すべく募集を行い30倍に近い応募があったこともお聞きしています。そうした京都市のデザインに関心のある職員や中途採用者をうまく生かしていかなくてはなりません。そのための講習についても職員が受けるだけでなく,専門家や設計士などにも京都市の目指すデザインを示していく機会が必要になってくると私は考えています。今後建設される公共建築物にそのデザインを採り入れるといったことができればいいわけですが,財政が厳しい現在,公共建築物が多数建設されることにはなりません。それだけに早い段階ではイメージを共有するために事前の勉強会が必要になってくると思います。職員対象の講習会等が開催されるだけにとどまらず,専門家や希望があれば一般市民も参加できる形での勉強会を是非実施していただきたいと考えますが,いかがでしょうかお答えください。 次に,景観重要建造物をはじめとする京町家等の耐震化促進についてでございます。景観重要建造物に指定された建物は,平成17年に3件,18年に17件と指定制度発足から2年で20件となりました。この指定制度では,京都市の維持管理についての助成もありますが,一方で所有者に対しての規制等が厳しく課せられる現状にあります。このことは,伝統的な京都の町並みを残す必要があるために市民の理解の下,公金を使って助成する。だから所有者には規制に応じてくださいというものであり,私自身,何とか所有者の皆さんには御理解いただき歴史的意匠建築物に指定された108件が一日も早く指定を受けていただきたいと思っています。しかし,規制の代償である助成制度が魅力あるものでなければなりませんし,またどんな災害があったとしてもその建築物が残っていなくては指定した意味もありません。つまり維持管理と補強の二つの側面から助成する必要があると思っております。特に後者の補強については,南海沖地震といった大災害を含め京都に大きな影響をもたらす地震対策として早急に必要なものであり,この助成制度も確立しなくてはなりません。そうした点から,今年度の予算で京町家の耐震化促進が政策重点枠として計上され,京町家耐震診断士の派遣や改修に助成がなされることになったことは大変意味があると考えておりますが,耐震診断を受けた所有者がその診断結果に基づいて補強工事を実施する誘導政策においてまだまだ魅力が少ないと思われます。診断結果による工事費の見積りがなされ,金融機関においても特別な融資制度を設定いただくなど診断から改修までセットとなるような仕組みが必要と思われます。是非,個別制度にとどまらず,診断を受けた所有者は改修が必要な場合すべてが改修に進むような一連の制度にしていただきたいと思いますが,いかがでしょうかお答えください。 最後に屋外広告物の規制,指導体制の整備,違反対策の強化についてお尋ねします。屋外広告物については現行基準すら守られていない広告物が多数ある現状から,まずは違反広告物への対応を求める声が強く出ていました。それに対して四条河原町,木屋町を中心とした地域の違反広告物対策に取り組んでいると聞いております。既に調査は終わっており,全体で591棟のうち実に401棟が違反広告物であり,未申請などの手続的な問題とされているものを除いた実態犯は何と248棟にも上ると聞いています。広告物を歴史都市京都にふさわしいものに変えていく過程の中で,この248棟に対してどのような姿勢で臨むのかが京都市の本気度をアピールすることになると考えています。 先日もこの地域内にある旧立誠小学校の跡地活用について観光拠点化を白紙撤回することが公表されました。地元の皆さんは,風俗店出店による治安の悪化に対して不満があるとも言われているだけに,この地域での屋外広告物への取締りを強化することは,地元の皆さんの気持ちを酌み取った市の取組と御理解いただけるのではないでしょうか。私たち議員団は,2年前に札幌市に視察に出向き,いわゆるすすきの条例の施行前,施行後について学んで参りました。このすすきの条例の中には,屋外広告物の規制も盛り込まれており,この規制では,約6箇月の猶予の中で風俗営業を想定できる広告が外部から見えないように改修しなくてはならないものでありました。結果この猶予期日までにすべての違反広告物は改修若しくは撤去され,施行日には全く違う景観になっておりました。私は,先ほど数字を挙げて説明しましたが,実態犯が248棟あるこれらの地域において,もうこれからはやり得は認めないということをはっきりとアピールすることが,他の地域においても事業者自らの判断で違反広告物撤去につながるのではないかと考えています。そうした事業者自らの取組を期待するうえでも,今既に京都市が訪問し広告物の改修若しくは撤去を求めている事業者に対しては期限を切って,その間に取り組まない場合は事業者名や所在地を公表することが必要ではないでしょうか。また,今後訪問する企業についても,京都市からの申入れから一定期限内に改修並びに撤去しない場合は事業者名や所在地を公表すべきではないでしょうか。これからの京都市の屋外広告物への姿勢を示すためにも御検討いただきたいのですが,いかがでしょうかお答えください。 次に,環境政策についてお聞きします。私は,京都市を環境先進都市にしたいと強く願っていることから,代表質問の機会をいただくごとに環境問題について質問させていただきました。その多くが環境をすべての政策の基軸とするための体制整備に関してでありました。最初の代表質問である平成15年9月議会でも名古屋市を例に挙げ,京都市でも政策決定段階に環境局が意見書を出したり決定会議に環境局が出席することを求めてきました。また平成16年11月議会では,市長直轄部局を設けて地球温暖化防止対策室などを設けるか,総合企画局の政策推進室の中にこれらを設けてすべての事業に環境の視点を採り入れるよう常に上位的な位置付けから指導することを求めてきました。それに対して平成16年4月には,環境局長が京都市都市経営戦略会議の常任メンバーとして位置付けられる体制となり,またこの4月からは,地球環境政策監が新たに設けられ,また,環境局内にあった地球温暖化対策室が総合企画局に移管されるなど,この4年間で正に私が桝本市長に環境先進都市京都をつくり上げるために要望してきた体制づくりが着々と進められており,大変うれしく思っているとともに高く評価したいと考えております。このような組織変化は,京都市職員だけでなく幅広く市民の目にも,京都市の施策の中心的位置付けに地球温暖化対策があることを認識していただけるのは間違いありません。そしてこれからは具体的な取組の中で,職員意識を更に高めていただくことが必要になっていくと考えています。今まで各職場での環境意識というのは,まず節電,ペーパーレス化,そしてごみ分別とISO基準における職場での取組で判断されていました。しかし環境負荷を考えた場合に,一般会計と特別会計,更に公営企業会計まで合わせると1兆7,500億円にも上る京都市の事業規模において,今までのISO基準での環境への取組だけでは小さすぎると私は思っています。本来的には1兆7,500億円の事業を進めるうえで常に環境負荷を低くする方法がないかを検討することが重要なのです。 もう7年くらい前になりますが,スウェーデンのベクショー市の市長が京都市にお越しになられ,ベクショー市の取組を勉強させてもらう機会をいただきました。このベクショー市は,目標として化石燃料ゼロを掲げて取り組んでいる自治体であり,スウェーデンのナチュラルステップという環境団体と一緒になって職員の意識改革を進めました。例えばスクールバスを運行しているセクションでは,最も効率的な走行ルートを再度見直すことにより負荷を下げることを検討するなど,常にCO2排出量を意識して政策を見直すことにしたのです。また,市長は,日々の行動によるCO2排出量を毎日記録することもされていました。このような視点をもって仕事に当たることも職員意識改革の一つであります。しかし,もちろんこの方法しかないわけではありません。いずれにしても自分たちが推進してきた事業を再度環境の視点から見詰め直し,少しなりとも負荷が減る方法がないのかを検討することが大変重要だと思っております。地球温暖化対策室が政策の調整役である総合企画局の中に移管されたことで,こうしたことが実現することを期待しています。そこで,市長にお尋ねしますが,今回の地球温暖化対策室移管の思惑と,今私が申し上げましたような職員の意識改革につながるような取組を地球温暖化対策室が担っていくのかどうか,御所見をお聞かせください。 また,京都市が市役所内の体制を整備して先導的に取り組もうとすることは何より大事ですが,京都市の方針を市民だけでなく事業者にも御理解いただかなくてはなりません。そこで事業者の環境意識を高める努力が必要であり,その一つとして京都市発の環境マネジメントシステムであるKESをできるだけ多くの事業者に取得してもらうことから始める必要があると考えています。そのKESも京都市内にとどまらず全国的に取得企業数が順調に伸びています。平成19年3月末現在,全国で1,430社,京都市内でも437社が取得しています。それも昨年度1年間で京都市内においては176社が取得しています。この背景には,理財局の調度課による政策入札の実施と工事の格付けでKESやISO14000シリーズ取得者への加点評価が行われたことが大きな要因と考えられます。昨年,私の知人からも,造園業をしているがKESを取得した方がいいのかどうかといった質問があり,環境への取組の流れは今後も変わることはないので,どうせなら少しでも早く取得した方がいいですよとお伝えしたこともあります。それだけ工事関係事業者にとっては理財局の加点評価の方針が企業戦略に影響しており,入札制度におけるこのような取組が事業者意識を変えていくという点で大変評価しているところであります。しかし,入札資格のある工事事業者1,792社に対して170社の取得にとどまっていること,京都市内のKES取得者がすべて京都市への入札参加事業者と仮定しても物品納入業者が1,704社あることを考えると12.5パーセントにしか該当せず,全体としてはまだまだ浸透していないと思われます。先に挙げました入札条件等の改正により取得者数が増えていることを勘案すると,例えば5年後にはすべての入札資格にKES等の環境マネジメントシステムの認証を含めることにするなど方向性を打ち出せば一気に取得企業数は増え,すべての事業者が環境的配慮なしには事業ができないとの意識改革にもつながると思います。京都市の全局の事業において環境的視点が盛り込まれるようになった今こそ,市役所,事業者,そして市民が一体となって進むためにも御検討いただきたいと思います。いかがでしょうかお答えください。 次に,昨年度この京都市会に特別委員会まで設置した職員不祥事についてお聞き致します。今回の選挙では,議会としてのチェック機能が十分に果たせていたのかが問われた面もあったと考えています。市民の中には,京都市職員の市民対応に不満のある方も大変多く,ただ,そんなものとあきらめていた人も多かったのではないでしょうか。それが昨年,多くの不祥事が発覚したことから,あきらめるのではなく,そのことへの候補者の取組姿勢を判断材料に投票がなされた面もあったと思います。そのような選挙を経て当選を果たすことができた私たちは,職員の不祥事対策や意識改革にはしっかりと取り組まなくてはならないと考えています。 そこで選挙直後の4月26日に開催された第3回信頼回復と再生のための抜本改革大綱推進本部会議の次第を基に幾つかお聞きしたいと考えています。第1次総括において,環境局の現状を三つの甘さとそれを助長する要因は解消されつつあるが,いまだに全体の奉仕者である公務員としての認識の不十分な職員が一部に残っていると言わざるを得ないと評しています。また,山科まち美化事務所の時間休不正取得の問題に関しては,京都市が置かれている現状に対する管理監督職員の認識がいまだに甘く,厳正な服務管理,指導が徹底されていなかったと記載されています。確かに京都市全体の人事管理上問題があるとされた職員数の推移を見ると,特に厳しく指導を要するとされる職員が5箇月前には24人いたのが今回はいなくなり,継続して監察指導していく必要がある職員も70人から50人に減っています。この推移から判断すると,人事管理上問題があるとされた職員は,指導や研修によって全体として減る傾向にはあっても1万6,000人いると言われる京都市職員ではなかなかゼロにはできない現実があるとも考えられます。しかしこの間,抜き打ち査察がまち美化事務所だけで延べ72回も行われており,倫理研修も行われているにもかかわらず管理監督職員の認識がいまだに甘いと判断しているのはいささか納得できません。この管理監督者は本当に認識が甘かったのでしょうか。むしろいまだに服務監や監察チームにすら報告できない状況が職場内に残っていて,状況を打ち明けられなかったのではないのでしょうか。公益通報制度も残念ながら10件しか内部告発はなく,公益通報には該当しない匿名の通報も21件にとどまっていたことから,第三者機関として設置する話が出ていますが,まだまだ実態を把握できる風土づくりができていないように思えます。管理監督責任を更に強化すると同時に,管理監督できていなかった場合の降格人事を断行するなど,うみを出させるきっかけづくりをすべきと思いますがいかがでしょうか,市長の御所見をお聞かせください。 また,先ほど人事管理上課題のある職員が減少している数字を例示しましたが,これだけ徹底した査察や研修をしているにもかかわらず,新たに課題のある職員と判断された人が2人おります。つまり問題を起こす可能性のある職員は,5箇月前の人数だけではなく,ほかにも潜在的にはいたと考えなくてはならないのではないでしょうか。課題を抱える職員が潜在的にいたとしても,これから繰り返される職員研修などで課題を抱える職員にならずに済むためにも,これからも一層の努力が必要と思われます。それには倫理研修と信賞必罰といった個人への取組と同時に,職場意識高揚といったグループでの取組が必要です。私は先の決算議会でも,職員が職場の課題を見詰め直すためにも職場改善提案制度の再構築とその発表の機会を作ることを求めてきました。近くは尼崎市,政令市では福岡市が行っているこうした取組を是非京都市でも大々的に行っていただきたいと思います。職員がどのように職場をとらえ,そして改善に取り組もうとしているのか,また,京都市が変わっていく姿を京都市民に示す良い機会でもあると考えております。一方で京都市職員の公務員倫理に関する市民アンケートを実施することも第1次総括には明記されています。職員の取組を市民がどのように判断するのか大変良い機会であると考えています。是非両方の取組が一体となって職場改善がなされていくことを私は求めたいと思いますがいかがでしょうか。 この件の最後として,大綱に掲げられているごみ収集業務50パーセント民間委託化に関して質問致します。私たち会派では,環境局職員の相次いだ不祥事については徹底的に撲滅すべく,まち美化事務所の改修や現在のごみ収集業務の効率化を進めることについて理解し一層の努力を求めている立場であります。しかし,このこととごみ収集業務の50パーセント民間委託とは別の問題ではないかと考えています。というのも例えば福岡市で行われている夜間収集など市民サービスとしての収集スタイルについて,この間,市民を巻き込んだ議論は行われておりません。にもかかわらず,今の収集制度を継続することを前提に,今般新設されたごみ収集業務改善検討委員会が機能するのであれば,行政サービスを受ける市民が抜け落ちた形での方針決定になってしまうと考えております。軒先収集,拠点収集,昼間収集,夜間収集など様々な収集スタイルを市民と共に協議することが第一ではないでしょうか。民間委託を先に進めてしまえば,こうした収集業務の見直しが実現し難くなります。とはいえ,桝本市長は既に50パーセント民間委託を発表し,それに向けて協議を進めておられますので見直しを申し入れることは致しませんが,今から同時並行でも結構ですので,この新設された検討委員会で収集方法についても広く議論していただきたいと思っています。いかがですか市長の御所見をお聞かせください。 最後に,いわゆるニート対策についてお聞き致します。先日のマスコミ報道にもありましたように,平成17年の国勢調査の結果として京都市内では5,333人がいわゆるニートであることが判明しました。以前から市内で約5,000人という説明がなされていましたから,ほぼ市内の状況を掌握していたと言っていいのではないかと考えております。とはいえ,その5,000人への対応が十分にできていたかといえば,まだまだ不足していたのではないでしょうか。というのも例えば京都若者サポートステーションで対応してきた人数は登録人数で120人でしかありません。実数の5,333人に対して120人というのは極めてお粗末としか言えません。しかし,この就労支援事業も今年度で国の補助金が終了します。振り返ると,この1月には急にヤングジョブスポット事業の打切りが国より通達され,京都市でも予算編成後ではありましたが,何とか事業継続ができるよう特別に対応していただいたこともありました。このように,これまでですらなかなか十分な対応ができていなかった若者就労支援が若者サポートステーションまで補助金が打ち切られるとすれば,ユース info.スクエア事業で代替するといっても更に先細りしていくことを懸念せざるを得ません。つまり国の補助事業を当てにして若者就労支援を考えていては,ますます先細りしていくと思うのです。本当にそれでいいのかを考えてもらわなくてはならない時期が来ていると私は思っています。 というのも京都市の生活保護費は,今年度の予算ベースで641億円にも上り,一般会計6,908億円の9.3パーセントも占めています。そのためこれ以上生活保護世帯を増やさない努力が京都市には求められていますが,いわゆるニートの若者たちがこのまま就労できない状況で年齢を重ねてしまうと,中には生活保護を受けざるを得ない人も出てくると考えざるを得ません。つまり将来の生活保護世帯の予備軍となりかねない場合もあると思うのです。昨年末には政府の中で生活保護に関する補助率引下げが検討された経緯もあります。国の財政が厳しい状況の中では,いつこの議論が復活するかもしれないと考えますと,京都市としては,今から生活保護世帯を増やさない努力が必要であり,先ほど来申し上げていますいわゆるニート対策には更なる支援をお願いしたいと思うのです。ただ,現場の話を聞いていますと,現在中心となっているジョブトレーナーなどの個別支援だけでは十分ではないようです。就労支援の対象者は,心理的に不安定な若者や社会的生活になじめない能力の人もおられ,福祉の問題ととらえざるを得ない状況も中にはあるのではないかということです。就労体験などの機会も作られてはいますが,実際に雇用してくれる先がなければこの問題は本質的には解決していないと判断しなくてはならないと思います。つまりまずはカウンセラーや臨床心理士による相談体制を充実し,次に職場体験などから社会になじむきっかけを作り,そして最後にしっかりと受け入れる職場を提供しなくてはならないのです。いずれにしましても増えているいわゆるニートへの対策として,福祉的側面も兼ね備えながら就労の実現に向けた今まで以上の取組が必要と考えますが御所見をお聞かせください。 質問は以上としますが,この間お聞きしました市民要望を幾つかここで御紹介しますので,お聞きいただきますようお願い致します。緊急避難場所ともなる体育館が八瀬小学校にはありません。子供の教育面からも早期実現を求めます。地上デジタル放送の受信並びにインターネットや携帯電話などの通信環境整備を市内一体で進めていただくことを求めます。児童館において,施設の有効利用の観点から利用時間帯以外については弾力的な運用を認めることを求めます。以上です。 私たち会派は,冒頭申し上げましたように,個人マニフェストや京都スタイル実現に向けても取り組んで参ります。そのことを最後に申し上げ会派を代表しての質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(宮本徹) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 隠塚功議員の御質問にお答え致します。 まず新景観政策の市民周知についてでございます。私は,歴史都市京都の優れた景観を守り育てる真の主人公は市民の皆様であり,その理解を得ることが今回の政策の要諦であると考えております。このような考えの下,これまで市民しんぶんやマスメディアの活用をはじめ数多くの説明会などあらゆる手段,あらゆる機会をとらえ広く政策の周知に努めて参りました。今回の新景観政策は50年後,100年後の将来を見据え,世界に誇る歴史都市京都の美しい景観を未来の世代に伝える政策であり,正に京都のまちづくりの歴史的転換と言える大事業でございます。今後ともこの政策を市民の皆様と共に推進していくため,隠塚功議員御指摘のとおり9月1日の施行日までの周知期間はもとよりのこと,施行日以降も積極的に地域の皆様の元へ出向いていっての出前トーク等の説明会の開催をはじめ,リーフレットの作成及び地域等への配布,ホームページの活用,都市計画ニュースの発行,テレビコマーシャルの活用などあらゆる知恵と工夫を凝らして広く市民の皆様へ政策の周知徹底を図って参ります。 次に,地球温暖化対策についてでございます。私は,京都市基本計画において環境をあらゆる政策の基軸に据えることをうたい,この方針の下で全国初の地球温暖化対策条例を制定するなど,これまでから国内外に誇る先進的な取組を進めて参りました。先ごろ公表されたIPCC,気候変動に関する政府間パネルの第4次評価報告書において地球温暖化は加速度的に進行していることが改めて明らかとなり,正に人類の存亡にかかわる喫緊の課題であると深刻に受け止めております。こうした認識の下,温暖化対策に関する重要政策の統括と司令塔の職務を担う専任ポストとして地球環境政策監を設け,環境行政に精通した職員を充てるとともに総合企画局に地球温暖化対策室を新設し,あらゆる分野で全庁挙げての取組を更に強力に推進することと致しました。地球温暖化対策の推進に当たっては隠塚功議員御指摘のとおり,職員の意識改革や行動改革が不可欠であることから,本年4月,私を本部長とする京都市地球温暖化対策推進本部において,すべての施策,事務事業を地球温暖化防止の観点から見直し全庁一丸となって積極的に取り組むこと,さらに職員一人一人が従来の観念にとらわれない新たな政策や施策,事業の構築に取り組むことを強く指示したところでございます。こうした方針に基づき総合企画局地球温暖化対策室を核として,すべての職員が全力を挙げ,英知を結集し,京都議定書誕生の地にふさわしい地球温暖化対策を着実かつ強力に推進して参ります。 次に,不祥事の根絶に向けた更なる取組についてでございます。昨年8月に抜本改革大綱を策定して以降,全庁挙げて抜本的,構造的改革に取り組んできた結果,不祥事を抑止する仕組みは着実に整いつつあり,職員の意識も変わるなど大きな前進があったと考えております。しかしながら,この間一部とはいえ管理監督者の認識が甘く,厳正な服務管理,指導が徹底されなかった職場が残っていたこともまた事実でございます。こうした状況も踏まえ,本年4月には監察体制を強化する組織改正を行うとともに,まち美化事務所など出先機関の所属長に力量あるベテラン職員を配置することと併せて,同一職場における長期在職者の大幅な人事異動を断行するなど職場風土の刷新を図る徹底した取組を行って参りました。過日開催致しました大綱推進本部会議においても,昨年度の取組を踏まえ,これまで以上に緊張感を持って持続性のある取組を行うよう各局区長に強く指示したところでありますが,今後とも隠塚功議員御指摘の風通しの良い職場風土づくり,管理監督責任の厳正化を含めまして,不祥事根絶に向けた取組を一層充実強化し市民の皆様に信頼される市政の実現に全力を尽くして参ります。 次に,ごみ収集業務の見直しについてでございます。ごみ収集業務改善検討委員会は,信頼回復と再生のための抜本改革大綱に掲げる家庭ごみ収集業務の委託化の計画的実施のほか,ごみ収集業務の在り方などについて総合的に検討を進めるため設置したものであり,去る5月22日に第1回会議を開催致しました。私は,ごみ収集業務は,市民生活に最も密着した行政サービスの一つであり,その見直しに当たっては収集業務の経済性や効率性の追求だけではなく,より市民満足度の高い業務の在り方について幅広く検討していく必要があると考えております。こうしたことから,当委員会において収集方法を含めた業務の在り方について市民の皆様の御意見を広くお聴きしたうえで,平成19年度中に報告書をまとめていただき,それを受けて平成20年度に本市としての業務改善計画を策定して参りたい考えでございます。 以下,副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○副議長(宮本徹) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕 ◎副市長(毛利信二) 私から3点お答えさせていただきます。まず景観重要建造物をはじめとする京町家の耐震化促進についてでございます。京町家の耐震改修につきましては,本年9月の新たな景観政策の実施に合わせて,京町家の伝統工法の構造特性に適した耐震診断が行える耐震診断士の派遣と一般の木造住宅よりも助成限度額,補助率とも手厚い本市独自の耐震改修助成制度を創設することとしております。また,この助成と併せて一般のリフォーム融資よりも低利の耐震改修融資制度を用意致しております。今後,議員の御指摘を踏まえ,こうした制度を広く御活用いただけるよう市民しんぶん,インターネットなどによりまして積極的に周知を図って参ります。また,住まいや京町家に関する相談窓口でございます京都市すまい体験館や京都市景観・まちづくりセンターと共に,京町家保全に熱心な活動をしておられるNPOの皆さんや関連団体とも有機的に連携し,京町家の所有者に対しまして耐震改修実施に向けてきめ細やかな支援を行って参ります。とりわけ耐震診断を受けられた所有者に対する重点的な取組と致しまして,助成制度や融資制度の紹介,本市開催の耐震改修講習会を受講いただきました施工業者等に関する情報提供,さらには,所有者へのアンケート調査によるフォローアップを行いますなど京町家の保全再生に寄与する耐震改修の促進に努めて参ります。 次に,屋外広告物の違反対策についてでございます。先の市会において全会一致で御議決いただきました新たな景観政策の推進に当たっての決議を重く受け止めまして,この4月に違反広告物対策専任の担当課長を配置致しますとともに,担当職員の増員を図り広告物に対する違反指導体制を強化したところでございます。しかしながら,違反に対する指導を強力に進めるためには,体制の強化のみならず更に様々な手法を工夫する必要があります。議員御指摘の違反者の公表につきましては,違反広告物の是正指導を進めていくうえで有効な手段であると考えております。このため既に今回の条例におきましても悪質な違反者に対しては,是正命令とリンクした標識の設置等による事業者等の公表制度を定めたところであり今後その活用を図って参ります。また,更に違反防止の実効性を高めるため,適法に設置された屋外広告物について商標等を添付することにより,適法な広告物と違反広告物を客観的に明らかにする措置なども有効ではないかと考え具体的な手法について検討して参ります。違反屋外広告物に対する指導の徹底は,公平公正な行政の執行のためにも重要であり,今後とも市民の皆様方や業界の方々とも協力して違反屋外広告物の一掃にまい進致しまして良好な景観形成を積極的に図って参ります。 KESの認証取得の促進についてお尋ねがございました。本市におきましては,環境に配慮した事業活動の推進のため,昨年8月に策定致しました京都市地球温暖化対策計画において,市内におけるKES認証取得事業所を2010年,平成22年までに850件に拡大する目標を掲げて取得の拡大を図って参りました。一方,入札制度におきましては,一定の政策水準を達成している工事事業者に優遇策を講じますいわゆる政策入札を他都市に先駆けて実施しておりまして,平成18年度からはKES等の認証取得者に対しまして,工事事業者の格付けにおいて加点評価を行いますとともにKES等の認証取得を条件とした入札を行っております。その結果,平成19年度には認証取得者が約2.5倍になりますなど一定の成果を上げてきております。 議員御提案のように,数年のうちにすべての入札参加資格にKES等の認証取得を条件付けすることにつきましては,その取得状況から見ますと競争性の確保等の点で課題もあります。しかし御指摘の趣旨を踏まえて,今後物品事業者も含めて環境にかかわりの深い分野をはじめ,可能な限りKES等の認証取得を条件と致しました入札の拡大を図り,環境共生型都市京都にふさわしい政策推進に努めて参ります。以上でございます。 ○副議長(宮本徹) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕 ◎副市長(星川茂一) 私からは2点についてお答え申し上げます。まず不祥事防止のための職場改善の取組についてでございます。不祥事の根絶のためには,議員御指摘のように服務指導や研修など個人への取組と共に職場改善,職場意識の高揚などグループでの取組,そして職員一人一人が意欲を持って働くことができるやりがいのある職場づくりが大変重要であると考えております。そうした観点から,例年実施致しております職場改善のための職員提案制度の更なる活性化は喫緊の課題であると考えております。先の議会における議員の御提案を受けまして,現在改善策を取りまとめておるところでございますが,グループ討論を踏まえた提案の推奨や,職員の意欲的な取組を市民の皆様に知っていただくための発表会の開催など必要な方策を今年度から講じて参ります。 また,市職員の公務員倫理に関するアンケートにつきましては,本市職員の公務員倫理に関して市民の皆様の率直な評価を受けるという全く新しい取組でございまして,職員が自らを見詰め直す大きな刺激になるものと考えております。今後,職員の自発的な取組を引き出す提案制度の更なる活性化と,市民アンケートによる外部の意見の積極的な導入によりまして市民の目線に立った職場改善を進めて参ります。 次に,いわゆるニート対策についてでございます。全国に62万人とも言われるニートの問題は,青少年の自立の遅れという問題だけでなく,議員御指摘のとおり将来的な生活保護費増への影響という側面も含めて社会的にも大変大きな問題であると認識致しております。京都市では,これまで雇用労働行政を所管致しております国や京都府との連携の下に,ヤングジョブスポットや若者サポートステーション事業などを通じまして若者の自立と就労支援に努めてきておるところでございますが,御指摘のようにニートになる原因は,本人の社会適応性,就労への意欲,能力,そして実際の雇用先の問題まで様々な要因が重なって起きているのが実情でございまして,より幅広い総合的な取組が必要となっております。このため先般改定致しました京都市ユースアクションプランにおきましても,新たに青少年のキャリア形成支援を基本方針の一つに位置付けておりまして,できるだけ早い段階から職業観や生きる力を身に付ける教育の取組を進めるとともに,現にそういう状態にある青年に対しましては,個々の課題に対応した自立支援策を更に強化することと致しております。今後とも国に対しまして必要な支援措置を要望するとともに,京都市と致しましても,福祉的観点も含めて総合的,専門的な相談事業の展開や職業ふれあい事業の充実に努めて参ります。さらに関係者から喜ばれております若者サポートステーション事業をより効果的に推進するため,昨年度設置致しました若者自立支援ネットワークに新たに経営団体,NPO等にも参画を呼び掛け情報交換等の取組を強化し,より多くの若年者の自立,就業支援につなげて参ります。以上でございます。 ○副議長(宮本徹) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からはシニア世代の能力活用策についてお答え致します。人口規模が大きいいわゆる団塊の世代が今後高齢期を迎えまして,本格的な超高齢社会が到来する中で社会の活力を維持増進していくためには,高齢者が社会の一員としてこれまで培ってきた豊富な経験や知識を十分生かし,地域社会の中で生き生きと輝いて暮らせる社会を構築する必要があると考えております。このため京都市では,ボランティア登録制度や自ら仕事起こし等の活動をされる方を支援するはつらつ高齢者まちづくり支援事業を実施してきました。今年度におきましては,団塊の世代対策の一環として社会参加や生きがいに関する意識を調査し,地域社会におけるNPOやボランティア団体,事業者等の実態も踏まえた新しい生きがいづくりの支援策の在り方について研究することとしております。議員御指摘の高齢者とボランティア団体等とのマッチングの場づくりなどシニア世代の能力活用策につきましては,活力ある長寿社会の実現のために是非必要なことと認識しており今後十分に検討して参ります。以上でございます。 ○副議長(宮本徹) 大島都市計画局長。 〔大島都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(大島仁) 市民の皆様にも積極的に参加していただける建築物のデザイン基準の勉強会についてでございます。新たな景観政策に係る建築物のデザイン基準につきましては,市民の皆様からいただいた多くの御意見を参考に修正を行い,優れた提案を受け入れる柔軟性を備えた基準,すなわち進化するデザイン基準として整備したものでございます。この進化するデザイン基準については,9月1日の政策の円滑な施行を図るために審査に当たる職員に対ししっかりと研修して参ります。あわせて,建築家等の専門家だけではなく市民の皆様にもこの基準について御理解していただくことが大切と考えておりまして,今後市民の皆様にも積極的に参加していただける勉強会の開催について十分に検討して参りたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宮本徹) 次に,市政一般について,吉田孝雄議員に発言を許します。吉田議員。 〔吉田孝雄議員登壇(拍手)〕 ◆(吉田孝雄議員) 私は,上京区選出の吉田孝雄でございます。公明党京都市会議員団を代表して市政一般について質問致します。まず初めに,4月8日に行われた京都市会議員選挙におきまして,公明党から立候補致しました私ども12名全員が市民の皆様方の真心の御支援を賜り当選させていただいたことに対し心より厚く感謝と御礼を申し上げます。また,全国でも4年前に続いて全候補者1,724名の完全勝利を勝ち取るという金字塔を打ち立てることができました。党員,支持者の皆様の御期待にこたえ,現場第一で研さんに励んで一つ一つ実績を積み,京都市発展に貢献していく決意でございます。特にパフォーマンスが前面に出るバラエティー政治の横行に心ある方々が危機感を抱いておられる今こそ,我々公明党が力を発揮し庶民の目線で責任ある政策を遂行する以外にないと自覚を新たにしております。 さて,ある哲学者は,戦前は軍事競争の時代,戦後は経済競争の時代であった。21世紀は人道の競争をすべきであると論じています。私ども公明党は,21世紀の日本が文化,教育,平和の分野で世界に貢献すべきであるとの信念から,京都市が文化芸術立国の首都を志すことに大いに賛同するものでございます。特に国家戦略としての京都創生への本格的な正念場を迎える今,京都こそが日本の文化芸術の魅力を世界に発信していくためのかなめであるとの確信に立ち率直に質問させていただきます。市長並びに関係理事者におかれましては誠意ある御答弁をお願い致します。 〔宮本副議長退席,内海議長着席〕 ◆(吉田孝雄議員) (続)まず,源氏物語千年紀事業についてお伺い致します。作家の瀬戸内寂聴氏は,源氏物語について世界に輝く第一級の小説として1000年の命を保ち続けている。もし日本の文化的遺産を一つ挙げよと言われたら,私はちゅうちょなく源氏物語を推すだろうと述べておられます。現在,英語,フランス語,ドイツ語をはじめチェコ語やスウェーデン語,ヒンズー語など実に20以上の言語に翻訳され,世界最古の長編小説として内外の読者に愛されている源氏物語は,正に世界に誇る古典であると言っても過言ではありません。2008年が源氏物語の1000周年ということで,京都府と京都市,宇治市等が中心となって千年紀事業が推進されています。1月の千年紀委員会設立を受けて4月には事務局が上京区に設置され,ウォーキングツアーや連続講座等のプレ事業を通して機運も盛り上がりつつあります。いよいよ来年11月が1000年目であり,市民を中心に広く内外を巻き込んで大いに効果を出すと同時に,一過性で終わらない継続性のある取組にすべきであると考えます。 先日正式に発表された源氏物語千年紀に向けての事業構想では,京都,関西はもとより日本全国,そして世界の多くの団体,企業,NPO,個人の幅広い賛同と参画を得てとあります。これは大変に評価されるべき構想であると思います。しかしながら,私は,この事業構想をより実効性あるものにしていくためには,市民と協働して作り上げるという市民参加の視点,子供たちや若者へ文化を継承していくという次世代の視点,町衆文化の息づく地域コミュニティの視点という,いわば京都の市民の力が何よりも重要であると考えます。こうした文化を支える市民の力に基づいて,千年紀委員会と連携しながら市民から寄せられた具体的な企画や提案を協賛事業として弾力的に認定するとともに,公開オーディションを行うといった臨場感のある事業を展開するなど具体策を積極的に打ち出し推進していくべきであると考えますがいかがでしょうか。また,源氏物語を研究している世界中の学者や文化人が京都に一堂に会する京都国際源氏物語シンポジウムの開催や,幅広い世代から支持を集め注目されている京都国際マンガミュージアムと連携した企画,さらに,子供たちが気軽に源氏物語に親しめるような子供版源氏物語の製作や,草の根で研究しておられる在野の愛好家や市民博士の方々にも活躍できる場を提供するなど多世代,多文化の取組も重要な視点だと思いますがいかがでしょうか,市長の御答弁を求めます。 次に,京都文化芸術都市創生計画についてお伺い致します。本市は,昨年施行された京都文化芸術都市創生条例に基づき3月にこの計画を発表しました。私は,壮大でバリエーションに富んだプランの中でも,特に文化芸術に親しみ,その楽しさを知る子供たちの育成を重視したいと考えています。箱物事業が無用の長物になっている事例が全国各地で見受けられる中,巨額の資金を投じた施設の建設や打ち上げ花火的なイベントを開催するだけでは広がりと継続性のあるものにはなりません。京都創生のためには,子供たちの豊かな感性をはぐくみ,無限の可能性を触発させていく取組を一層推進するビジョンが不可欠ではないでしょうか。この観点から質問と提案をさせていただきたいと思います。 本年から京都にいる若手芸術家を学校に派遣して,子供たちが優れた文化芸術の魅力に触れる特別授業を行う取組が始まります。この事業について4点お尋ね致します。NHKの人気番組,課外授業ようこそ先輩の文化芸術版とも言えるこのようこそアーティスト文化芸術とくべつ授業ですが,今年度の実施予定が20校とお聞きしました。第1年目ということでやむを得ないのかもしれませんが,実施校をもっと増やすなど積極的な展開を考えるべきではないでしょうか。内容についても,事業を行う文化市民局と教育委員会とが連携し,市と学校と芸術家とが事前に綿密なやりとりを行い,アンケート調査を実施して子供たちのニーズを反映した柔軟な計画を練っていくべきと考えます。いかがですか。また,実施に当たって交通の便の良い地域以外になかなか行き渡りにくいという格差が発生しないかという懸念もあります。各区に満遍なく候補校をピックアップし,偏りのない実施計画を図るべきと思いますがいかがでしょうか。4つ目は,現在進めている京都市芸術文化特別奨励制度との連動であります。この制度で育成している若い芸術家やグループを是非このようこそアーティスト事業に活用することを検討していただきたいと思います。いかがでしょうかお答えください。 次に,少子化対策についてお伺い致します。少子化対策は,今や国民にとって喫緊の課題となっていることは誰もが認めるところであります。私ども公明党は,早くから児童手当や子供医療費の拡充など少子化対策に粘り強く全力で取り組んで参りました。もちろん結婚も出産も個人の意思で自由に選択される時代であることは言うまでもありません。それを踏まえたうえで,働く環境や育児費用の増大などの理由でやむを得ずあきらめている方への支援も必要ではないかとの声も聞こえて参ります。平成16年に市内の子育て世代対象に実施されたアンケートで,就学前のお子さんを育てている御家庭に子供は何人欲しいですかと聞いたところ,半分近い49.2パーセントが3人と答えられました。しかしながら,実際の子供さんの数は3人がわずか15パーセントにとどまり,2人以下は81.2パーセントでした。そして理想の数よりも少ない理由の第1位は,58.1パーセントの方が経済的に余裕がないと回答されたのであります。出生率の低下が懸念されている中において,唯一上昇した福井県でも京都市のアンケートと同じ傾向がありましたが,その対策として,ふくい3人っこ応援プロジェクトという第3子への支援を実施したことが出生率の上昇に大きく貢献したと言われております。そもそも少子化対策は,すべての子供に対してなされるべきものでありますが,3人目との視点は,子供を産むことがより歓迎される風潮を生み出し,人口の増加にもつながるのではないでしょうか。当然,地域性の違いもありますので,福井県と全く同じ施策を実施することがベストとは思いませんが,子育て支援策の一つとして注目すべきと考えます。 本年2月の衆議院予算委員会で厚生労働大臣が妊産婦検診の公費負担について無料にする回数をまず5回を基準にと述べたことを受けて,2月定例議会で我が党の井上教子議員が妊婦の無料検診の拡充について提案致しましたところ,上原副市長から有効な子育て支援策の一つとして公費負担の拡充について検討するとの答弁がございました。現在,御検討いただいているところとは思いますが,まずは第3子優遇支援策として,妊婦検診の5回分の公費負担による無料化を本年9月の子ども医療費支給制度拡充に併せて導入することを検討していただきたいと思います。いかがでしょうか御所見をお伺い致します。 最後に,いじめや虐待への取組におけるCAPについてお伺い致します。子供たちがいじめ,誘拐,虐待,性暴力などから自分で自分を守れるように持っている力を引き出すことの大切さを教える教育プログラム,CAPプログラムの活動が各地で広がっています。CAPとは,Child Assault Prevention,すなわち子供への暴力防止の略称で現在世界15箇国で実施されています。日本には1985年に紹介され約100グループが活動しております。このプログラムのワークショップを学校の授業に採り入れ,児童生徒や教職員,保護者などを対象に実施した自治体では,実際に受講した児童から,暴力やいじめへの対応方法を学ぶ中で他人へ暴力を振るう愚かさと他者を大切にすることが結局自分を大切にすることにつながると分かったとの共感の声が寄せられ,参加したことを高く評価している結果が出ております。 京都市におきましても,平成16年に我が党の湯浅光彦議員の提案を受けて門川教育長がCAPを教育の現場に採り入れる方針を発表され,校長,教頭,人権担当等の教職員対象の研修会が開催されたことを契機に,北白川小学校,嵯峨小学校,音羽小学校,下鳥羽小学校ほか多くの学校でCAPプログラムが展開されるようになりました。関係者からは,教育長の御英断と公明党の提言に対して感謝の声が寄せられております。支援者の方と一緒に取材活動を重ねた結果,CAP導入による成果についてここ数年で著しい変化が見られているとのことであります。それはCAPの目的が子供への暴力防止というハード面にとどまらず,最近はワークショップとヒアリングの成果として,家族や教師など身近で信頼している立場の大人からの暴力や虐待に苦しむ子供の心のケア,つまり内面にまでその効果が促進されてきているというのです。このCAPの理念と実践は,子供の人格を尊重し理解して接し,声に出せない心の叫びに耳を傾ける傾聴ボランティアにも通じる非常に大切な普遍性があり,現代社会の底に沈んでいる病理を解決する可能性があるのではないかと私は感じました。是非とも地域ぐるみで取り組み普及していく価値があると申し上げたいのでございます。 ただ,このプログラムの効果を出すには,学年単位ではなく1クラスごとの開催が原則ということで少なからず費用が必要となります。したがって,PTA等からの支援がある学校では継続して開催されているものの,多くの現場では資金の余裕がなく意欲はあっても開催されないままの状態であります。その意味で,NPOの方や保護者のお母さん方からも,行政の支援を是非お願いしたいとおっしゃっていました。八幡市では,小学校1年生,4年生,中学3年生の授業に組み込んで,すべての子供が学んでいくことができるシステムを確立しています。京都市で同じような規模の取組を進める場合,試算として2,000万円以上が必要と言われています。これはかなり大変であり,今すぐの導入が至難であることは理解できます。しかしながら,大阪市では昨年度に460万円の予算を組んで推進され,その効果が現れた結果,今年度の予算には1,600万円が組まれたのであります。京都市としてCAPの導入についてどのようにお考えでしょうか。全面的な予算化が困難であれば段階を踏んで,まずパイロット校をピックアップして導入してはいかがでしょうか。また,現在はCAPの教職員研修は希望制でありますが,これをすべての教育者が学ぶ必須カリキュラムにしていくなど意識の面からも思い切った変革を進めていくべきではないでしょうか。前向きな御答弁をお願い致します。以上で私の質問を終了致します。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 吉田孝雄議員の御質問にお答え致します。 源氏物語千年紀事業についての御質問にお答え致します。平成20年に源氏物語1000年という大きな節目を迎えるに当たり,これを契機として源氏物語が宿す日本文化の奥行きの広さ,すばらしさを全国,全世界に広く,そして後世に伝えることを目的に様々な事業を行っていくことにしております。吉田孝雄議員からは,この千年紀事業をより一層実りあるものにしていくための御提案をいただきました。私と致しましても,千年紀事業を単なる一過性のイベントとせず継続性のあるものとしていくためには,市民の皆様の参加と地域の文化やコミュニティを生かした取組が大変重要であると考えております。この考えを具体化する事業の一つとして,議員の地元であり源氏物語ゆかりの地が数多くございます上京区において,区政策提案予算を活用し地域の魅力の再発見につながる区民リレー講習会やボランティアの協力による歴史散策などを実施する予定でございますが,御提案のありました市民の皆様からの企画や提案につきましても,千年紀委員会と連携を取り,広く協賛事業として認定するなど市民の力の結集を図って参りたい考えでございます。また,国際シンポジウムや子供たちを対象とした事業など源氏物語千年紀を多世代,多文化の取組とすることにつきましても,その趣旨を十分に踏まえしっかりと取り組んで参りたい考えでございます。 以下,副市長及び教育長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕 ◎副市長(星川茂一) 私からは文化芸術都市創生計画の重点事業の一つでございます,ようこそアーティスト文化芸術とくべつ授業についてお答え致します。この取組は,子供たちが優れた文化芸術の本物の魅力に触れる機会を作ることによりまして文化や芸術に親しむきっかけを生み,豊かな感性や人間性をはぐくむことを目指して今年度から新たに実施するものでございます。現在準備を進めておるところでございますが,能,狂言やお茶,お花などの伝統文化から演劇,ダンスなどの現代芸術まで京都が誇る幅広い分野の芸術家の方々を小中学校等に派遣し,子供たちに優れた文化芸術に直接触れてもらうことと致しております。実施に当たりましては,議員からも御提案をいただきましたが,学校等の希望を広く聴きながら各地域で実施できるよう努めて参ります。また,本市芸術文化特別奨励制度で支援育成して参りました若い人材も登用し,アンケート等により子供のニーズも把握しつつ多彩な事業内容となるよう工夫して参ります。さらに,今年度の成果を踏まえながら来年度以降実施校を拡大することも視野に,子供たちにとってすばらしい経験となるような事業を計画的かつ積極的に実施して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からは妊産婦検診についてお答え致します。出産までの継続的な妊産婦検診の受診は,母胎や胎児の健康を確保し健やかな出産を迎えていただくために大変重要なことであると考えております。本市におきましては,従来から妊娠届出時に母子健康手帳と併せて妊婦検診受診票を交付し,妊産婦検診を公費で1回受診できることとし,また市民税非課税世帯など低所得者の方に対しましては,経済的負担を軽減するため公費負担を2回としてきております。第3子目の妊産婦検診につきましては,公費負担により5回分を無料とする議員の御提案につきましては,市民の皆様が理想とされる3人の子育てを社会全体で応援していくものであり,少子化対策として大変示唆に富んだ施策であると考えております。本市の財政状況は非常に厳しい中にありますが,御提案の趣旨を十分に踏まえ,妊産婦検診の公費負担の在り方につきましては引き続き検討を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) CAPプログラムについてでありますが,議員御指摘のとおり子供たちの力を信じ,子供たちがいじめや虐待をはじめ身近に迫った危険から自分自身を守る力を身に付けるよう指導することは極めて重要であります。本市では3年前からこうした考えの下にCAPプログラムを教員研修に導入し,ワークショップなどを通して教員の指導力向上を図っております。これまで延べ300人を超える教員が受講しており,子供たちに自信を持って安全な行動を自ら選択できる実践的な態度を養う取組が各学校において進められております。また,御提案のパイロット校につきましても,PTA,地域と連携してこのプログラムを採り入れた活動を進めている学校が増えてきておりますので,そうした学校を研究校に指定するなど実践研究をより深め,その成果を全市に広げることによりプログラムの趣旨を生かした取組の拡大に努めて参ります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 次に,市政一般について,平山賀一議員に発言を許します。平山議員。 〔平山賀一議員登壇(拍手)〕 ◆(平山賀一議員) 西京区選出,公明党の平山賀一でございます。先ほど我が党の吉田孝雄議員から発言がありましたとおり,4月に行われました統一地方議員選挙におきまして,多くの市民の皆様方から私たち公明党へ賜りました御支援に対しまして心より御礼を申し上げます。公明党へ寄せられました市民の皆様方の期待にこたえていく使命の重大さに身の引き締まる思いであります。私たち公明党は庶民の声を政治に反映するために,どこまでも現場第一主義で戦っていくことをまず冒頭にお誓い申し上げます。 それでは公明党市会議員団を代表致しまして市政一般について質問致します。1年生議員として,生活現場で私自身が感じたこと,また市民の皆様からお聞きした声を基に素直に質問させていただきます。桝本市長をはじめ関係理事者の皆様におかれましては,何とぞ誠意ある御答弁をお願い致します。 最初に防火の取組,住宅用火災警報器の設置について質問致します。去る4月22日西京区,洛西ニュータウンの市営住宅において火災が発生し,懸命の消火活動が行われたにもかかわらず幼い尊い生命が失われるという悲しい事件が起きました。後日,火災現場周辺の方々にお話をお伺いして,この市営住宅にはいまだ火災警報器が設置されておらず,火災の発見通報が遅れたことが重大な被害をもたらした一つの要因であったことを知り非常に残念に思いました。近年,全国的に住宅火災による死者が急増し,特に高齢者の方々や火災の発見が遅れたことによる逃げ遅れが原因の犠牲者が多いことから,寝室やキッチンなどへの住宅用火災警報器の設置を義務付ける消防法の改正が行われたことは皆様御承知のとおりでございます。京都市においては,この設置促進のために自主防災組織などを通じた共同購入活動に対する指導,アドバイス,あるいは高齢者の方々への取付け支援などの取組を進めておられますが,今回の火災を通して改めてでき得る限り速やかな各御家庭への設置促進の取組が必要であると感じた次第であります。 そこで,市内各御家庭への火災警報器の設置をより一層促進し,行政としてもきめ細やかな対応をするために市民の方々への周知度,要望,実際の設置状況を調査したうえで課題を整理し,高齢者の方々や障害者の方々など急いで火災警報器を設置した方が良い場合,あるいは経済的理由により設置が進まない場合の対応について行政として必要なアクションを執っていただきたいと思います。この住宅用火災警報器とは,一般的には警報音により火災を知らせるものですが,最も大切なのは,火災が発生した御家庭や近隣の方々が速やかに避難するなどの対応につながることです。聴覚や視覚に障害をお持ちの方々のためには,特殊な火災警報器の設置が必要であります。また,お体が不自由な方々が避難するためには,近隣の方々の手助けが必要であります。このように火災警報器が設置されたから安全が確保されたのではなく,上手に運用できてこそ価値があるものです。 そこで質問させていただきます。御高齢や障害をお持ちなどの理由で警報に気付きにくかったり避難が困難である世帯において火災が発生し警報器が鳴った場合に,近隣の方々が通報したり避難困難な方々の避難を手伝うといった近隣地域の連携の仕組みを具体的に作っていくことが必要と思いますが,どのようにお考えになられますか。また,本年6月には国で検討されてきた障害者用火災警報器の仕様についての検討結果が出ると聞いておりますが,検討結果が出て障害者用火災警報器が出て参りましたら,行政から障害者の方々への説明周知をきちんと行い,一般の火災警報器と比べ余計に費用が掛かるものについては行政として助成を行うべきだと思いますが,是非桝本市長の御所見をお聞かせください。 次に,都市公園の活用及び公園遊具の安全確保について質問致します。京都市には市営公園が800箇所ほどあります。その大半はいわゆる児童公園などと呼ばれている小規模な街区公園です。これまで公園には児童の遊び場,都市の中での緑の提供,防災拠点,避難場所としての役割が求められてきましたが,今後の公園は,少子高齢化が進む社会にあって子供たちから御高齢の方々までが安心して集い,語らい,くつろぐことのできる空間の提供という役割が増してくると思います。そして私たちの周りにある公園は,生活現場の中にあるというロケーションに優れ,かつこれまでも地域の方々が慣れ親しんできたという実績から地域コミュニティの核として地理的には優れた要件を備えております。京都市の公園整備のマスタープランは平成11年に策定された京都市緑の基本計画に示されておりますが,もう一度地域のニーズをとらえ,木陰やベンチを設けてくつろぎの空間を設けたり,背伸ばしベンチや上下ステップといった健康遊具を設置するなど地域コミュニティの核となる公園への再整備という視点を盛り込み,できるだけ早い時期に計画の再策定を行い実効あるものとしていただきたいと思いますが,この点につきまして桝本市長の御所見をお聞かせください。 また,地域コミュニティの核としての公園ということをアピールし,地域の方々にこれまで以上に親しんでもらうためにも現在の街区公園という呼び方に代えて,例えばふれあいガーデンなど市民の皆様が親しみを感じやすい呼び方を市民の方々から公募することを提案させていただきたいと思いますがいかがでしょうか。さらに喫緊の課題として,先ごろ大阪府にある大型遊園地において遊具施設事故が起きましたが,原因に施設管理者による点検作業の甘さがあったことは否めません。京都市営の800箇所ほどの公園については,これまでは各公園管理事務所が地域の実情を考慮しながら各遊具の安全確保に努めてこられたものを,今年1月から3月にかけては,建設局として公園遊具の安全点検マニュアルを作成し市内全域一斉に安全点検を行ったとのことでございます。その評価結果は現在取りまとめているとのことですので,是非きちんと評価し適切な対応をお願いしたいと思います。この公園遊具の安全点検作業について,今後は定期的,計画的に行っていただき,点検の実施,評価,対処までを市民へ情報開示していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 次に,市民の足としてのバス事業についてお伺いしたいと思います。京都市におきまして,現在は公共交通機関としてバスの役割が非常に高いという認識は衆目の一致するところであると思います。今後,少子高齢化が進む中で,代替の交通網が出来上がらない限りは公共交通機関としてバスの重要性は現在よりも更に高まっていくことは間違いありません。これまで市バスが路線の維持やバスロケーションシステムの拡充など利便性向上の経営努力,また,バリアフリーのバス車両及び環境に優しいバス車両の導入を進めてこられ,それらの車両導入率が全国平均を上回る結果となっていることは関係各位の御努力の賜物であり高く評価できることであります。私は,次に力を入れて取り組むべきはバス停の環境改善であると考えます。 今回お伺いしたいのは,一つはバス停付近での禁煙をはじめとするマナー向上です。バス利用者には高齢者や病院などに通院される方々も多いこと,また,本定例市会にて路上喫煙等の禁止等に関する条例が議案提出なされるなど喫煙に関する社会的な情勢をかんがみますと,バス停で喫煙しないよう市民しんぶんなどで呼び掛けたり,あるいはバス停にマナー向上の看板を設置するなど広報活動をはじめとした取組をこれまで以上に強く進めていただきたいと思います。いかがでありましょうか。 二つ目にはバス停の照明化,つまりバス停を明るくすることの推進です。既に市バスのバス標識1,532箇所のうち567箇所は何らかの形で照明化され明るいバス停となっています。もちろん周囲の住環境状況により照明化が適さない場合もありますが,明るくなったバス停では日が落ちて暗くなっても時刻表がよく見え,また防犯の面からも利用者に大変好評のようです。ただしこの照明化は1件当たり多額の費用が掛かることなどもあり,すぐにすべてのバス停へ拡大することは難しいともお聞きしております。昨年11月に東京都交通局は新タイプのバス停設置を発表致しました。東京の町並みにふさわしいバス停を大学との連携でデザインし,ソーラーシステムやLEDタイプなど省エネタイプの照明の採用,雨風よけに広告枠を設けてその広告料収入により設置維持管理に必要な費用を賄うというものです。京都市でも広告料収入方式を使ってバス停の照明化を一層進められないでしょうか。御意見をお聞かせください。また,あわせて先ほど御紹介させていただいた東京都の例のような,京都の町並みにふさわしく,環境に優しくバリアフリー化など利用者に優しい新しいタイプのバス停の設置を御検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。 最後に,教育とりわけ不登校の問題について質問致します。京都市は不登校生徒学習支援特区として不登校の生徒に対する取組を積極的に進めてこられました。洛風中学校の開校や子どもパトナの開設は,教育の先進都市京都市が全国に誇るべき大きな成果であります。しかし,このような取組にもかかわらず,激動する社会状況の変化も相まって不登校の生徒数は大きく減少することのない現実もございます。ますます社会状況の変化に即したきめ細やかな不登校問題への対応を粘り強く続けていく必要性を感じております。 子どもパトナでの活動の一つに,ふれあいの杜といいまして体験活動や学習活動を通して不登校の子供たちの学校,社会生活への適応を支援する活動があります。不登校の子供を抱えた御家庭では,子供が早く学校,社会生活に適応していくことは切実な願いでありますし,その子供が家庭に引きこもることなく外に出て,ふれあいの杜などの施設に通うことは大きな喜びであり希望であります。しかし一方で,このふれあいの杜は,中京区の子どもパトナ本館と分教室として伏見区に伏見学習室の2箇所があるのみです。不登校の子供自身の直接的な活動を公の機関がサポートする市内では唯一の場であるこのふれあいの杜を不登校の子供たちへのきめ細やかな対応という点から,そしてもう一つには市周辺部から通う場合の子供たちや親,保護者の方々の負担軽減という点から,市北部や東部あるいは西部へふれあいの杜を設けることはできないでしょうか。当然これらの施設へ通うことが難しい不登校の子供たちも多くいます。現在,全中学校へ配置されたスクールカウンセラーや不登校相談支援センターなどで子供と保護者の相談に乗れる体制も出来ております。是非これからも現場でのきめ細やかな対応を持続していただきたいことを要望させていただきます。 一方,本年度より国の事業として私たち公明党が推進して参りました放課後子どもプランが実施され,京都市におきましては,これまでの厚生労働省が推進してきた児童館,学童クラブ事業と連携させて文部科学省が推進する放課後子ども教室事業をまずは50校をモデルとして取組を始められたと伺っております。この文科省の放課後子ども教室事業は,豊かな体験活動の場,自主的な学習機会の提供により子供たちの健やかな成長を目指すとともに,地域ぐるみの取組により,すべての子供に安心安全な放課後の居場所を確保することが趣旨であります。私たちの社会の将来を担う子供たちが社会の大人材として成長していくために,放課後子どもプランがこれから価値的に運営されていくことを切に願うものです。そのためにもスタートに当たり教育委員会でモデル校の取組状況をチェックし対応につなげていく体制,現場で取組を進められる担当者,子供たち,父兄の方々の声を聴き相談に乗れる体制をしっかりと整えていただくことをお願い致します。とりわけ成功のかぎとなるのは,現場において体験や学習活動の支援を行う指導員,ボランティアの確保と指導レベルの維持向上であると思います。今後全市に放課後子ども教室を拡大していく場合には,要員確保などに地域間格差が出てくることも予想されます。また,現場から人材を求める要望が出てくる場合もあるかもしれません。例えば京都市として教員OBなどの方々から希望者を募り人材バンクのような形式で登録し,市全体で指導員,ボランティアの適正な配置を行うなど様々な対応も必要となるかもしれません。いずれに致しましても指導員,ボランティアの方々の確保と指導レベルの維持向上が図られるようモデル校の実施の中でしっかりと見極めていただき取組を進めていただくことをお願い致します。 以上で私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(内海貴夫) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 平山賀一議員の御質問にお答え致します。 初めに住宅用火災警報器に関するお尋ねでございます。高齢者や障害のある方などを火災から守るためには,人と人とのつながりが大切であると考えます。京都市では,市民の皆さんによる防災行動計画づくりの中で,いざというときには御近所の皆さんが協力して通報や避難,救出を行うという取組を順次進めていただいており,既に全市内自主防災部の80パーセント,5,000部において防災行動計画が策定され具体的な活動が行われているのは御承知のとおりでございます。今後とも火災警報器の設置促進に併せて京都が誇る無形の財産の一つである地域力を生かした近隣協力体制づくりに全力を挙げて取り組んで参ります。 議員御指摘の障害者用の火災警報器につきましては,障害者団体を通じて周知することも含め十分な市民説明に努めていきたいと考えておりますが,現行の日常生活用品給付制度に火災警報器が品目として含まれており,自己負担が1割でございますけれども,この制度の活用を検討して参りたい考えでございます。 次に,都市公園についてお答え致します。美しい緑のまち京都を継承し次世代へ引き継いでいくことは,私たちに課せられた使命でございます。本市では,緑を守り育て増やすことにより都市緑化の更なる促進を図るため,2025年を目標年次とする京都市緑の基本計画を策定致しております。この計画では,地域住民の皆さんの参加や市民ニーズに合わせた地域にふさわしい公園整備等を方針としており,これまで子供や高齢者など地域の誰もが御利用いただける公園整備を行って参りました。今後も緑の基本計画に掲げる方針に基づき,すべての世代の方々に親しんでいただけるような楽しく安全な健康遊具を設置するなど地域の新たなニーズを踏まえた整備に努めて参ります。また,平成11年の現行計画策定後の状況の変化を踏まえまして,公園が地域コミュニティの核としての役割をより的確に果たしていく観点などから必要な見直しを行って参りたいと考えております。 公園の名称につきましては,街区公園は,法令上の名称でございますけれども,平山賀一議員御指摘の市民にとって分かりやすく親しみの持てる愛称について計画の見直しの中で検討するとともに,今後整備する公園についても地域の皆様の御意見をいただきながら積極的に採り入れて参ります。 最後に公園遊具の安全点検につきましては,全公園について定期的,計画的な点検を実施するとともに,公園愛護協会をはじめ市民の皆様へ点検結果や修繕内容等についてお知らせするなど,今後とも市民の皆様に安心して公園を御利用いただけるよう一層適切な管理に努めて参りたいと考えております。 以下,副市長,公営企業管理者及び教育長が御答弁申し上げます。 ○議長(内海貴夫) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕 ◎副市長(毛利信二) 私からはバス停留所での禁煙についてお答えさせていただきます。市バスは,市民の皆様の大切な足として安全,快適,乗りやすいバスを目指して努力を重ねて参っておりますけれども,議員御指摘のとおりバス停留所の環境改善に努めることも極めて重要な課題と考えております。このため今回提案致しております条例の趣旨を踏まえ,路上喫煙禁止区域,その中にあるバス停留所での禁煙を徹底することはもとよりですが,区域外でのバス停留所やバス車内での放送,ポスターの掲載取組を強化致しますとともに,禁煙の啓発をより明確で分かりやすい表現に改めますなど,関係者の御理解もいただきながら更に周知徹底を図って参りたいと考えております。また,市民しんぶん等におきまして条例の徹底を図り,関係局が一丸となって関係団体とも十分に連携させていただき,路上喫煙禁止等の意識の啓発とバス停の環境改善に努めて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 上原副市長。 〔上原副市長登壇〕 ◎副市長(上原任) 私からは放課後子ども教室についてお答え致します。この事業は地元で組織いただく実行委員会を運営主体として,校長OBのコーディネーターの支援の下で地域住民や学生等幅広いボランティアの御協力をいただき実施するものであります。今年度の50校における事業実施状況を十分検証しながら,拡大する場合には議員御指摘の地域間格差のないよう,ボランティアの確保等につきまして大量退職期を迎えた教員OB等にも積極的に御活躍いただくなど,多様な方々の参画により地域に根差した特色ある取組を展開して参ります。今後とも子供たちの放課後における自主的な学びの場と安全安心の居場所の充実に向けて取組を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 島田公営企業管理者。 〔島田公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(島田與三右衞門) 照明を付けるなど利用者に優しいバス停留所の設置についての御提案でございます。交通局では,これまでに電照式やソーラー式などの照明付きバス停標識柱の設置や歩道の切下げによるバリアフリー化などバス待ち環境の向上に計画的に取り組んで参りました。御提案いただきました他都市に見られる広告収入を活用した新しいタイプのバス停留所の設置につきましては,京都市の狭隘な道路事情による道路占有許可や風致景観面,また採算性など様々な課題もございます。今後,他都市の取組を参考にし,道路管理者や関係機関との協議や様々な工夫を行いまして,お客様により安全で安心して御利用いただけるよう研究して参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 不登校の子供のためのふれあいの杜についてでありますが,平成4年に全国に先駆けて不登校の子供の活動の場として開設し,4年前の教育相談総合センター・子どもパトナの開所時に施設と指導体制を抜本的に拡充するとともに,分室を伏見区に設置致しました。さらに,国の構造改革特区制度を活用し平成16年に不登校の子供のための洛風中学校,さらに本年4月には郁文中学校跡地に洛友中学校を開校するなど不登校の子供たちの学びの場の拡大に最大限の努力をして参りました。不登校問題は今日の教育の最大の課題の一つであり,議員御指摘のとおり子供たちがより通いやすいよう,ふれあいの杜の分室を更に増設することが必要であると認識しており,今後市北部などにも開設するなどして不登校の子供のきめ細やかな心の居場所づくりのより一層の拡充に努めて参ります。以上でございます。 ○議長(内海貴夫) これをもって一般質問を終結致します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(内海貴夫) 本日は,これをもって散会致します。 〔午後4時36分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    内海貴夫          副議長   宮本 徹          署名議員  加地 浩          同     倉林明子 △(イメージ)請願文書表「受理番号3」「上下水道の整備」・請願文書表「受理番号4」「駐車場の改善指導」 △(イメージ)請願文書表「受理番号5」「駐車場の改善指導」・請願文書表「受理番号6」「マンション建設の指導」 △(イメージ)請願文書表「受理番号7」「マンション建設の指導」・請願文書表「受理番号8」「マンション建設の指導」 △(イメージ)請願文書表「受理番号9~10」「マンション建設の指導」・請願文書表「受理番号11」「共同住宅建設の指導」 △(イメージ)請願文書表「受理番号12~13」「複合施設建設の指導」・地方公務員法第5条第2項の意見について...